今ままで戦争映画というのは何度か見ていますが、その中でもで一番メッセージ性を感じた物語に思いました。
600ページの文庫本を2週間で読み入ったのも初めてかもしれません。
映画では時間の関係で若干省略された面もありますが、本の中に出てくる体験者の語り部は大分引き込まれました。
主人公の宮部さん生き方は、当時では理解出来なかったものかと思われますが、彼が残したメッセージ(意図)を受け継いだ方が何人もいたと言うことが何よりも嬉しく感じ、それを孫達が解き明かしていく様子は、とても運命的なものを感じました。
私も、宮部さんのような自分に正直な生き方が出来、自分の意志を後世に受け継がれる様な生き方が出たらとも思いました。
話は変わりますが、私の家内の父は、15歳でこの特攻予備軍として九州の基地に召集されたそうです。
当時千葉に住んでいた義父は、何日も汽車に揺られ九州まで行ったそうです。
幸い、出撃することなく終戦となり命を落とすことはありませんでしたが、今の娘とほぼ同じ年齢で、こんな事があったという歴史はとても恐ろしくも感じます。
もし、特攻していれば、私は家内とは出会うことは無かったことになります。
宮部さんの「生きる」というメッセージは、次の世に受け渡す大切な事だと感じるそんな物語だったようにも思います。
また、最後に祖母のメッセージ性を孫の姉が受け止めた様子も心惹かれる点でもありました。
後、本を読んでいていくつか思い出した事があります。
ゼロ戦の神業的な操縦技術について触れられていますが、私が小学校頃はこの操縦技術を絵解きで解説した小学生向けの書物がありました。
私は、実際に読んだ事を思いました。
戦後70年近くなり、最近は子供向けの戦争の書物が減ったように思います。
私の父の兄(叔父)は特攻隊ではありませんが、戦争体験者ですのでよく子供の頃に戦時中の事を聞かされましたが、子供の時ということもあり良くわかりませんでした。
大人になり、家族を持つようになった今だからこそ、分かる事があるようにも感じます。
同じ様に子供達に、この物語の事を話しても、まだピンと来ないようです。
もう少し大人になっった時に、自分が知っている、叔父や義父から聞いた事を話してやりたいと思います。
