いま、僕は販売の仕事をしているんです。

それで、この間親戚のおばさんとあったときに、販売員のジレンマという話題になりました。

おばさんは大学卒業後、百貨店に採用になり、販売の経験がありました。

おばさんは、午後の日差しに輝くコーヒーをひとくち飲み、

当時を振り返り、言いました。

「でもね、販売の仕事って、売りたくないものでも、

    売らなくちゃいけないときがあるでしょう?

      それが私なんとなく罪悪感で、早く辞めたいって思っちゃったの」

そうだよなあ。

「本当はお客様にはAの商品のほうが合っているけど、

    会社的にはBを売らないといけないんだよなあ」

というのは、僕も感じたことがあって、

恐らく典型的な販売員のジレンマなのではないかと思います。

「自分は会社の駒なのだから会社が売りたいものを売っていれば良いのだ」

と割り切ってしまうのも、あまり健全ではない気がする。

それで、改めてこのジレンマについて考えてみました。


そもそも、「店で買う」とは、どういうことなのだろう。


インターネット全盛の時代である。

いまや店舗はショールームと化しつつあり、

店舗で実物を見て、ネットで安く買うという人もいる。

しかし、それでもわざわざ店舗で買ってくれるお客様は…

「人から買いたくて来ている」ということでしょうか。

いや、むしろ店頭のほうが割高なことを考えると…


「人を買いに来ている」のではなかろうか(少々表現には問題があるが…)。


つまり、販売員の接客そのものが付加価値なのです。

ここに至って、僕のなかで例のジレンマの解消への道が見えてきました。


即ち…

本当はAの商品のほうが魅力的だが、会社の事情でBの商品を薦めなければならないとしても、

接客という付加価値を加味すると、

お客様にとってはBの方がAよりも魅力的な商品になりうる。

と、言うことなのではないか。

そういえば音大時代、本番用の靴を選ぶとき、店員さんにかなりあれこれ要望を伝えて、

時間をかけて選びましたが、店員さんはいやな顔ひとつせず、熱心に接客してくれました。

その後、本当はサイズが少し合っていないことが分かったんですが、

やっぱり愛着があって、大切に履いています。


ちなみに、アナウンサーの存在意義も、これに近いものがあるように思います。

いまやニュースもネットで読めてしまいますが、

各局の夜のニュースでも一番遅く始まるニュースジャパンをわざわざ見ていたのも、

滝川クリステルが伝えてくれていたからだったなあ。。。


という訳で、

結論①物品においても、情報においても「人」が付加価値になる時代が来ている。

結論②ニュースを読む滝川クリステルが好きでした。


ああ、やっぱりしょうも無い結論になってしまった。

最後まで読んでくださりありがとうございました。皆様にとって明日も良い日になりますように。