最近は中国リスクを甘く見るなといった論調の報道が多いが、中国ビジネスにかかわっている人々からすれば「何をバカなことを」という話になるだろう。というのも、中国リスクを甘く見るような企業は早々に撤退の憂き目に遭うか、そもそも進出ができない。だから中国ビジネスで一定の成功を収めている人々の中に、今回の領土問題を機に撤退などという日和見な人間は恐らく一人もいない。そして実はここに、中国ビジネスの成功のコツが隠されている。
つまり、中国ビジネス の成功には中国リスクを十二分に見据えての進出が関係している。領土問題絡みで日本車の販売台数が軒並み大幅にダウンしたと大々的に報じられているが、中国で実際に日本車を売っている人々からすればやはり「なにをバカなことを」ということになる。つまりその程度のリスクは中国ビジネスを始めた時点で既に想定内で、その程度のリスクが怖くて中国で商売なんかできるか!というわけだ。
とはいえ、リスクを予見するだけでは成功までには至らない。だから、リスクを跳ね返すだけの攻めの戦略が中国ビジネスには必須ということになる。リスクに呑み込まれる中で踏ん張るのみならず、リスクを相殺するような前準備が必要なのだ。では中国ビジネスを成功させる前準備とは、一体何なのか。
それは簡単に言えば中国側とのパイプの構築なのだが、この前準備という点が日系企業はダメダメな場合が多過ぎる。一方で韓国系企業や欧米系企業の車の売り上げが堅調なのはパイプがしっかりしているからに他ならず、彼らはパイプの構築および維持のための相当程度の投資をしている。だが、もっと深刻なのは国家間また企業間のパイプというより、日系企業には中国の人々とのパイプがない。
そしてここにこそ、中国ビジネス 成功の究極の秘訣がある。中国の人々と中国の市場とを本当の意味で研究することによりしかるべきパイプを築くなら、リスクを乗り越えられるのみならず他の外資系企業と同等ないしはそれ以上の成功さえ可能になる。ではいったい何から始めたらいいのか。中国の人々が持つ本来持つ価値観および日本や日本製品また外国や外国製品に対する見方といったものを研究し理解し共感することから始められる。中国リスクが声高に叫ばれる中、そのようなプロセスの中で築かれる本物のパイプが今、中国ビジネスには求められている。