中国市場戦略 でまず考えるべきなのは、ビジョンであるとよく言われる。どの業界でもそうなのだが、それぞれの市場に固有のビジョンというものを突き止めて、それをできるだけ大勢の人と共有できさえすればそれでいい。要はディズニーである。ことに中国市場戦略においてこれは非常に重要になる。それはなぜなのか。
中国は今、いわゆるチャイナドリームの真っただ中にある。世界レベルの富豪がぼんぼんと生まれているのを見れば分かるように、チャイナドリームが世界経済をさえけん引している。中国人というのはただでさえ「自分なりの成功」を追い求める性向の強い人たちなのだが、そのチャイナドリームの波にもまれながら「自分だって」と誰しもが思っており、どうすれば自分も成功できるか考えたり本を読んだり人の話を聞いたりしている人が少なくない。
とはいえ13億人すべてが富豪になれるはずもなく、「成功とはかくも難しい」ものなので、とりあえず「衣食足りて満足」するしかない、というのが大多数の中国人にとっての共通の認識となっている。多くの人はあきらめ気味で、ビジョンがない。「自分なりの成功」を夢見ているのに、それを実現させる具体的な方策を見いだせないでいるわけだ。逆に言うと、富豪になるような中国人というのは明確なビジョンがあったからこそ頑張り切ることができたし、中国で成功している有能な人財というのも、自分なりのビジョンをきちんと持ち合わせていたからこそ成功を手にすることができた。
これはつまり、中国で成功したくば有能な人財に自ら足を運んでもらえるようなビジョンを会社としてきちんと示しなさい、ということに他ならない。もしこの「中国人のビジョン」というものをあまり重視せず、自社製品や自社サービスをいかに売るかばかりをひたすら考えているとどうなるか。中国人社員のモチベーションや作業効率は、間違いなくガタ落ちだろう。ビジョンなしは最悪だが、ビジョンの押しつけでもダメだ。つまり、それら中国の勝ち組な人々のビジョンというものをきちんと分析・把握・共有することこそ中国市場戦略 上の急務なのである。