中国を自社マーケットとみなす上での一番の障害は何か。いや気持ちはあるんですが中国は怖すぎますという声は多い。彼らにしてみれば中国をマーケットとみなす一番の障害とはすなわち中国また中国人自身であって、自国また自分たち自身では決してない。だが、こうした一般的な通念はそもそも正しいのか。あるいはもしかすると、そのような一般的な通念こそが中国をして自社マーケットとならせる上での一番の障害だということはないのか。


考えてみると、日本人が日本人にモノを売ったりサービスを提供したりというのは明らかに敷居が低い一番楽な方法だ。そういう中で修羅場をくぐり抜けてとか海千山千とかいう話は、言い方が悪いかもしれないが学生時代はずっと優等生だったみたいな話と大差ない。学校という枠内ルール内で勝ったという話は決して悪くはないのだが、そういう学生が学校以外の枠内ルール内で必ず成功できるかというとそうではないし、まして枠もルールもないような中で勝てるかどうかは正直未知数ではないか。


中国をマーケット とするというこのことは、とりもなおさず日本という枠内ルール内から出ることを意味し、時に枠もルールもないような中で勝つことが必要となる。「いや気持ちはあるんですが怖すぎます」みたいな反応は、実のところ「なにこれ信じられない」という反応で自分のキャパに収まらないものを全否定する女の子の反応にもなぞらえられる。女の子であればそれで全然まかり通るが、日本では既に活路がない方策が尽きたという会社組織が「なにこれ信じられない」と叫んだところで何にもならない。


もし中国が枠もルールも何もない無法地帯のジャングルだと言うのであれば、ジャングルのただ中でゲリラになれという言い方もあろう。要は勝つためにどこまでするおつもりですか?ということに尽きるのだが、ここまで話を詰めて初めて「いや実は気持ちはないんです全然起きませんごめんなさい」みたいな開き直りが表面化する場合もある。中国を自社マーケット とみなす上での一番の障害は、実は全然気持ちの起きない自分自身だったことに改めて気付く一瞬である。だから、ゲリラ戦を決意した会社は概して強い。自分自身という障害を乗り越えさえすれば、その他の障害は実は取るに足りないのだ。