先住民虐殺の歴史をユーモアを交えて描いた西部劇をAmazonプライムビデオで観ました。初見。
監督はアーサー・ペン。予告編はコチラ。
養護施設で暮らしている121歳のジャック(ダスティン・ホフマン)が歴史家のインタビューを受けて、自分史を語り始めます。小さい頃に馬車で移動中の家族がポーニー族に襲われて、荒野に姉と二人きりになったジャック。そこにシャイアン族の"迫り来る影"が現れて、彼らの集落に連れて行かれます。姉は男たちに犯されると思い込んで逃亡。ジャックだけが残って、長老である"古いテントの皮"(チーフ・ダン・ジョージ)の息子として育てられます。17才になったジャックは、インディアン狩りをする白人の軍隊との戦いに初めて参加。ライフルで戦う白人に槍で戦うインディアンが勝てるはずがなく、ジャックも殺されそうになったところ、攫われて育った白人であることを告白して助かります。その後、牧師の家に引き取られて、敬虔な信者になる教育を受けます。牧師の妻である禁欲的なペンドレイク夫人(フェイ・ダナウェイ)の色気に欲情するものの、別の男と浮気している現場を見て家出します。次にペテン師のメリウェザー(マーティン・バルサム)に弟子入りして、インチキ薬販売をする旅をしていると、詐欺に気づいた購入者にリンチを受けます。しかし、自分を痛めつけているリーダーが生き別れになった姉だと気づいて、姉の家での居候を開始。
姉に教えられた時に早撃ちの才能があることが発覚して、早撃ちガンマンとして周囲から恐れられる存在になったジャック。伝説のガンマンであるワイルド・ビル・ヒコック(ジェフ・コーリー)と知り合った時、人殺しができない性分に気づいてガンマンを引退。ガッカリした姉に見捨てられたジャックは、スウェーデン人のオルガと結婚して、友人と雑貨商の経営を開始します。 でも、泥棒だった友人が財産を持ち逃げ。たまたま通りかかったカスター将軍(リチャード・マリガン)からのアドバイスで西部に向かうと、インディアンに襲撃されて妻を奪われてしまいます。その後、カスター将軍の使いっ走りをした後、インディアン狩りで女子供まで皆殺しにする騎兵隊に嫌気が差して、またシャイアン族の集落に戻ります。 新しい妻を迎えた頃、生き別れた妻オルガがシャイアン族の友人の妻になっていて驚きます。政府の指示でインディアンの各部族が特別居住エリアに移動させられた後、子供を産んだ妻と未亡人となっていた妻の姉3人も自分の妻に迎えて、幸せな生活を送れると思ったら、民族浄化を狙う騎兵隊が1か所に集まって暮らすインディアンを大量虐殺しはじめて・・・というのが大まかなあらすじ。
原題は「Little Big Man」。シャイアン族の一員となった主人公ジャックにつけられた名前を指しています。トーマス・バーガーの同名小説が原作。1人の架空の人物を通して、白人のインディアン狩りの当事者になったことを語っていくスタイルの西部劇。「フォレスト・ガンプ/一期一会」(1994)で現代史をおさらいしていくパターンの走りですね。いきなり老人メイクで登場するダスティン・ホフマン。精巧な特殊メイクの担当はディック・スミス。で、運命のいたずらで白人とインディアンの間を行ったり来たりするユニークすぎる人生をコミカルなタッチで描く塩梅が絶妙。偶然が重なりするエピソードが本当なのかどうかは分かりませんが、"西部開拓"の名目で白人が先住民を追い込んで虐殺していった負の歴史を両者の狭間で揺れる人物主観で体感できる点が見どころ。"ウォシタ川の戦い"、"リトルビッグホーンの戦い"といった史実を織り交ぜて、カスター将軍、ワイルド・ビル・ヒコック、バッファロー・ビルといった実在の人物も登場。インディアン虐殺シーンの迫力は一見の価値あり。虐殺後に絶望したジャックは世捨て人になって、また白人側に付いて、いろいろあってから、またまたシャイアン族の父の元に戻ります。あと、1970年代の先頭を走っていたフェイ・ダナウェイの輝きもさすがでした。










