「ブローン・アウェイ/復讐の序曲」(1994)

復讐に燃える爆弾魔と闘う男の話をAmazonプライムビデオでひさびさに観ました。

監督はスティーヴン・ホプキンス。予告編はコチラ。

北アイルランドの刑務所でIRA活動家のテロリスト、ライアン・ギャリティ(トミー・リー・ジョーンズ)が爆破物を仕掛けて脱獄に成功。で、その1年後。場所は離れて、米国ボストン。ボストン市警の爆弾処理班のエース、ジェームズ・ダヴ(ジェフ・ブリッジス)がバツイチで子持ちのケイト(スージー・エイミス)にプロポーズ。穏やかな暮らしを求めて、訓練生対象の指導教官になる異動届を提出。大学に仕掛けられた爆弾を危機一髪で解除する仕事を最後に一線を退きます。結婚式当日、高架下に爆弾が仕掛けられた一報が入って、新婚のジェームズ夫妻を祝福していた元同僚の隊員たちは緊急出動。その後、式を終えてケイトとベッドインしようとしていたジェームズは、ホテルの一室から大規模な爆破を目にします。爆弾解除は失敗して、処理にあたった同僚ブランケットは即死。爆弾を仕掛けたのは、脱獄してボストンに潜伏していたライアンでした。

事故現場を検証したジェームズは爆弾処理班の命を狙った犯行ではと推測。しばらくして、市街地に仕掛けられた爆弾で元同僚のリタも帰らぬ人に。現場に駆けつけたジェームズのケータイに電話が掛かってきて「お前への憎しみのプレゼントだ」と話す声が聞こえます。電話の主はライアンで、標的は自分だと知ります。ジェームズの本名はリアム・マクギヴニー。元IRA闘士で、ライアンは爆弾作りの師匠。ライアンの妹は恋人でした。ライアン主導の大量無差別テロを実行直前でジェームズが阻止したことで爆弾が暴発。近くにいたライアンの妹は即死。ライアンは投獄されて刑務所暮らし。渡米したジェームズだけが過去を隠して再出発したのですが、爆弾解除のニュースをたまたま見たライアンがジェームズの存在に気づいたわけです。さらに、他の同僚やジェームズの家族にも爆弾の罠を仕掛けていくライアンと全面対決となったジェームズは・・・というのが大まかなあらすじ。

原題は「Blown Away」。"吹き飛ばす"といった意味。爆弾を知り尽くした男同士の対決を描いたスリリングな一品。主人公や彼の娘のピンチ→たぶん死なない。主人公不在の現場のピンチ→たぶん死ぬ。そんな分かりやすいハリウッドらしい法則を守りつつも、次々と仕掛けられる罠にビクビクします。午後ローで観たら大満足の面白さアリ。ジェームズもライアンもなんで同じボストンにやって来るんだという疑問は、舞台となったボストンはアイルランド系移民が多い都市だと知って納得。主演は同年公開「スピード」の主演を蹴ってこちらを選択したジェフ・ブリッジス。何色のワイヤーを切るかの選択は常に正しい役どころですが、出演映画の選択は間違ったかもしれません。実父のロイド・ブリッジスも叔父役で出演。ジェームズの後任で少し迂闊なキャラのアントニー役はフォレスト・ウィテカー。案の定、自宅のヘッドフォンに爆弾を仕掛けられます。ジェームズと再婚した美女役のスージー・エイミスは、のちにジェームズ・キャメロンと再婚しています。

本作のウリは、なんといってもトミー・リー・ジョーンズの嬉々とした悪役ぶり。私怨というよりも、爆弾テロ自体が好きでしょうがないのが本音なんでしょう。国際的なテロリストをなかなか捕まえられないでいる状況説明がないため、ただただ無策のまま野放しにされてるように見えるものの、長髪をやめたら薄毛のおっさんになってしまったようで、いろんな場所に出没しては主人公や関係者を追い詰めます。クライマックスの爆破シーンはなかなかのスケール。オモチャに発想を得たアホらしいギミックも素晴らしいです。妻子に仕掛けられた爆弾の解除方法も、ハッピーエンドになるラストも、まさに力業。個人がケータイを持っていればカンタンに回避できた危機がいくつかある点はご愛敬ということで。なお、コンサートシーンで指揮を執っているのは、ボストン・ポップスのフィルの指揮者の一人でもあるジョン・ウィリアムズでした。

Blown Away (1994) Final BattleBlown Away (1994)

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ブローン・アウェイ/復讐の序曲

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