「Netrikann」(2021)

「ブラインド」のインド版(タミル語版)リメイクを観ました。

監督はミリンダ・ラウ。予告編はコチラ。

警察官のドゥルガ(ナヤンタラ)は、クラブで不良とつるんでいる養護施設時代の弟分を乗せた車で交通事故を起こしてしまって、弟分は即死、自身は失明して失職。それから3年後のある雨の日の夜。タクシー乗り場から乗車したタクシーが何かにぶつかった音を感じるドゥルガ。人間じゃなくて犬ですよと弁明するタクシー運転手。音に敏感なドゥルガは人間を轢いたのではと食い下がりますが、タクシー運転手は主張を変えず、トランクに轢いたブツを詰め込んで、ドゥルガを道端に置いてけぼりにして走り去っていきます。取り残されたドゥルガはすぐさま警察に通報。盲目の彼女を見たベテランのマニカンダン刑事(K・マニカンダン)は証言の信憑性を疑いますが、ドゥルガの並み外れた洞察力と警察官を志望していた過去を知って、ドゥルガの協力を得ながら捜査を続けます。

そこにひき逃げを目撃したバイク配達員の青年ゴーサムが現れて、逃げた車はタクシーじゃなかったと主張しはじめます。警察はゴーサムの目撃証言を報奨金目当ての戯言だと一蹴して追い返すも、その後、ゴーサムは犯人に襲撃されます。ゴーサムの証言は正しく、ドゥルガはタクシー運転手に成りすましていた車に乗車していたことが分かります。犯人は中絶手術をしに来た女性を次々と監禁して凌辱する産婦人科医ジェームズ(アジマル・アメール)でした。犯人の矛先はドゥルガにも向かいます。ゴーサムの携帯電話からの遠隔アドバイスと盲導犬の決死の活躍で、一度は死を免れたドゥルガ。被害者の1人の証言から自らがオトリになって犯人をおびき寄せて逮捕に成功するも、犯人は油断したマニカンダン刑事たちを皆殺しにして脱獄。犯人はゴーサムと共にいるドゥルガの家に侵入して・・・というのが大まかなあらすじ。

原題の意味は"第三の目"。本作はオリジナルをインド映画風にアレンジされた点が多い1本でした。主演のナヤンタラは南インド映画界で"レディ・スーパースター"の称号を得ている大物女優さん。犯人は極秘に中絶手術をしようとする女性を秘密の部屋に監禁して、凌辱した様子を録画する変態野郎で、ドゥルガは一度襲われたにも関わらず、自ら手術希望者を装って犯人に再度接近するタフな女性像になっていました。ラストバトルでは、これまで被害に遭った人の悔しさも乗っけて、犯人を必要以上にボコボコにします。さらに事件解決後、手術が成功して目が見えるようになる展開が追加されていて、スター映画らしい味付けアリ。他のリメイク版よりも30分ほど長くなってるのは、主人公が盲目となって孤独に感じている場面や、犯人が監禁した女性を痛めつける場面などがインド映画らしく歌謡シーンになっているため。盲導犬は序盤で車に轢かれてケガした上に、終盤ではまたしても犯人に殺されてしまいます。で、面白かったかというと、韓国版オリジナルには及ばずといった印象でした。

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