「トム・クランシー/CIA分析官ジャック・ライアン」シーズン1(2018)

ジャック・ライアンが分析官以上に大活躍するアクションドラマをAmazonプライムビデオで観ました。

ショーランナーは、カールトン・キューズとグラハム・ローランド。予告編はコチラ。

イスラム系テロリストのオンライン上での資金の動きに異常を察知したCIA分析官のジャック・ライアン(ジョン・クラシンスキー)。新任の上司グリーア(ウェンデル・ピアース)に報告すると、いきなり中東現地に同行されられます。敵のアジトにいた組織の首謀者スレイマン(アリ・スリマン)を捕まえますが、スキを突かれて逃げられます。助けに来たのはスレイマンの弟。物語は、ジャック・ライアンと上司グリーアが所属する部署を中心としたCIAの捜査活動と、スレイマンが指揮するテロ組織、スレイマンの家族のエピソードを並行して描きながら進行しています。ジャックが出会った美人医師キャシー(アビー・コーニッシュ)との恋愛はちょっとだけ触れる程度かと思ったら、後半ではキャシー自身も事件に巻き込まれていきます。

投資会社勤務からCIAに転職したインテリのジャックは元海兵隊員でもあるため、現場での実戦に対応する能力あり。上司のグリーアは黒人のムスリム。少し怪しいです。キャシーはエボラウィルス研究の第一人者という設定なので、生物テロ関連でストーリーに絡んできそうな気配マンマン。一方、テロの首謀者スレイマンは幼少時のレバノンで起きたテロで両親を亡くして、フランスで孤児として差別されながら生きてきた過去があり、本来は人格者だった人物が、現実社会の絶望感からテロリストに転じたパターンのようです。弟や妻子への愛情はとても強い男なのに、スレイマンの妻ハニンは夫の活動に恐怖を抱いて、娘二人を連れて逃亡、アメリカに確保されます。弟を殺されて息子だけが自分のそばに残ったスレイマンは、組織を引き連れて、生物兵器と放射性物質を使ったテロを欧米諸国に仕掛けます。アメリカに入国したスレイマンの真の目的に気づいたジャックは・・・というのが大まかなあらすじ。

まもなく、アマプラでシーズン4が配信されるということで、シーズン1を観てみました。CIAを舞台にしたドラマシリーズといえば、「HOMELAND」(2011-2020)という名作がありました。スリリングで面白過ぎるのですが、見終わったからの疲労度もあるので、シーズン3で離脱してしまいました。。。本シリーズでは、戦闘能力も有しているデスクワーク系公務員がほぼ一人でテロ組織の首謀者を倒す単純明快なストーリーに割り切って作ってる点が潔く、物語構造や人物造型、行動原理を単純化して、諜報サスペンス要素はお飾り程度に抑えて、ドンパチアクション全開にした(いい意味での)アホドラマになっているので、十分に楽しめました。せっかく確保して隔離することに成功したスレイマン家族に通信機器を渡して、海外に潜伏するスレイマン側と容易に接触させてしまう味方組織のザルっぷりとは対照的に、首謀者たちの行動を主人公だけがズバリ見抜いて、現場に出向いて自分の手で始末してしまう安直な展開はキライではありません。

エピソードの終盤で何がしかの爆発・銃撃戦が起きるので、エンタメ摂取の一定の需要は確実に満たされます。この先どうなるのかというサスペンスじゃなくて、こんなことが起きましたという数々のイベントを楽しむテイスト。主人公のジョン・クラシンスキーと恋人になるアビー・コーニッシュに魅力があるかどうかは、好みが分かれそう。スレイマンを演じたアリ・スリマンの人間味と冷酷さを持ち合わせた存在感は素晴らしかったです。偶然に活躍するジャックよりも、計画的なスレイマンの方が優秀で生き残りそうな気さえします。他には、グーリアの口うるさい上司役でティモシー・ハットンの顔もありましたが、もう一人くらい魅力的なサブキャラがいるといいのになあというのは欲張りすぎかもと思うくらいに、アクション物としては満足できる内容ではございました。

トム・クランシー／CIA分析官　ジャック・ライアン　シーズン1 予告編

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「トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン シーズン1」

「トム・クランシー/CIA分析官ジャック・ライアンシーズン1」