「ランボー3/怒りのアフガン」(1988)

ご存じランボーシリーズの第三弾を劇場公開時以来に観ました。

監督はピーター・マクドナルド。予告編はコチラ。

タイのバンコクで仏教寺院修復工事の手伝いをしながら、物騒な殺し合いバトルの戦いに参戦して金を稼いでいるジョン・ランボー(シルヴェスター・スタローン)。賞金は僧侶に全額寄付している模様。そこにトラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)が米国務省職員グリッグスを連れて現れます。ソ連が侵攻するアフガニスタンのある地区へ武器供給するための協力を要請しにきたわけですが、ランボーは固辞。仕方なく、ランボーなしで現地に行ったトラウトマン大佐は、案の定、ソ連軍に捕まってしまいます。グリッグスからその一報を聞いて、大佐大好き人間のランボーは非公式任務として単身で救出作戦実行のため、ガイドを連れてアフガニスタン入り。

アフガンのゲリラ戦士たち(ムジャーヒディーン)に協力を仰ぐと、現地の惨状を海外に発信してくれるなら大作救出に協力するとのこと。といったやりとりをしてる時に、ソ連軍がヘリでゲリラ部隊アジトに奇襲攻撃をかけられて多くの戦士が殺されます。仕方なく、単身でソ連軍の要塞に潜入しようとすると、ランボーに懐いていたチビッ子戦士がついてきます。一度目の潜入では大佐の救出に失敗。足手まといのチビッ子を帰して、もう一度チャレンジすると、意外にアッサリとトラウトマンを救出。激オコのソ連軍のザイセン大佐はランボーと大佐を追跡。圧倒的戦力を誇るソ連軍を目の前にして、もうアカンと思ったら、ムジャーヒディーンが加勢にやってきます。一転、ランボーが怒りの大反撃を開始して・・・というのが大まかなあらすじ。

原題は「Rambo III」。ラッセル・マルケイがスタローンとケンカ別れして、第二班監督職人のピーター・マクドナルドが監督。そのせいか、作り手の思い入れが作品に刻み込まれてない気がします。味気ないストーリー＆大味な物量アクションで、シリーズでも最も印象度が低い作品。戦争マシーンになってしまった自分に悩まされてる感じが少なく、精神的に落ち着きがあった頃のランボーなので、感情面の描写が薄っぺらいです。火薬量多めのアクション描写自体は迫力満点ですが、哀しみが超人的アクションに昇華していくランボーシリーズの魅力がないのが致命的。チビッ子絡みのエピソードも蛇足。かなり無茶なミッションなのに、主要登場人物が誰も死なないどころか、たいしたピンチもなく進行していくので、ハラハラ度も弱く、良くも悪くもランボーの無双ぶりを安心して観られます。

見どころは、ステロイド投与もバリバリでピークだった頃のスタローンの肉体美でしょうか。劇場公開時はスタローンの活躍を見るだけで十分に満足した記憶があります。負傷した脇腹を火薬で荒療治する場面、コワモテのソ連兵（「オーバー・ザ・トップ」にも出演）と対決して爆死させる場面、そして、ザイセン大佐のヘリとランボーの戦車が激突するクライマックスの場面がインパクトあり。なんでも知ってるような顔でいつも命令してるだけのトラウトマン大佐が戦地でウロチョロしてるのもレアです。リチャード・クレンナはシリーズ最後の出演となりました。あと、撮影見学に来ていたらしい原作者のディヴィッド・マレルや「少林寺への道」等のカーター・ワンとの2ショット写真がIMDBにありました。あと、IMDBで見つけて気になったのは、ランボーのパロディ物「Rumbo:First Pee」(2022)という作品。オシッコをさせてくれず、街を追い出されたおばちゃんが暴れるストーリーのようです。予告編しか見かけないので、いつかどこかで探して観てみたいです。