「大喜劇ゴッドファーザーPART0」(1973)

「ゴッドファーザー」のパロディ映画を観ました。

監督はフランコ・プロスペリ。予告編はナシ。

NYのマフィアのボス、ドン・ヴィトー・モンレアーレ(アリギエロ・ノスケーゼ)は、ライバル陣営のマフィアとの血生臭い抗争を続ける日々。容貌としゃべり方はヴィトー・コルレオーネにかなり寄せています。その抗争に巻き込まれてしまったのが、フランク・シナトラのモノマネ等をしている歌手のニック・ブグリオーネ(アリギエロ・ノスケーゼ)。芸能エージェントがいるビルの一室でジェリー・ルイスやバーブラ・ストライサンドとかのモノマネを披露して売り込んでたところ、ビルの外から一斉射撃を受けます。奇跡的に撃たれずに済んだニック。芸能エージェントがマフィア絡みだったようで、恐怖に怯えたニックは妻に相談。すると、彼女の名付け親(ゴッドファーザー)だという有力者に助けてもらうことになります。その男こそがドン・ヴィトー。ビルの襲撃を命令していたのもドン・ヴィトーで、ライバルを粛清する一連の行動の一つでした。

つまり殺されかけた男に守ってもらおうとしたわけですが、もう後戻りすることはできず、協力しないと高層ビルから突き落とすと脅されたニック。マフィアの一員にされてしまいます。ドン・ヴィトーはモノマネが得意なニックを自分の影武者として利用します。なにしろ、ドン・ヴィトーそっくりで、腹心の部下たちも見分けがつきません。違いはケツに傷跡があるかどうかだけ。俺のケツには傷跡があるといって、いちいちナマ尻を出すドン・ヴィトー。ニックという身代わりを作って、盤石かと思ったドン・ヴィトーですが、敵のマフィアに襲撃されて瀕死の重傷を負います。ドンがいなくなると弱体化してしまうモンレアーレ一家は、ヴィトーの病状を隠して、ニックをドンとして露出して健在をアピール。ヴィトーが死んだ後もそのままドンに居座ったニックは、本当のドンとして君臨することになって・・・というのが大まかなあらすじ。

原題は「L'altra faccia del padrino」。"ゴッドファーザーの別の顔"という意味。字幕なしのイタリア語なので、細かいセリフは全く分からず。1977年に日曜洋画劇場で一度放映されたきり(主役の吹替えはフランキー堺)で、日本では劇場未公開。五七五のリズムでシンプルな邦題のセンス、キライじゃないです。息子たちのストーリーは割愛してドンをメインに構成。結婚式やドンの暗殺、入院したドンを襲うマフィア、ドンと孫との触れ合い、教会での洗礼中に敵の虐殺といったオリジナルにある名場面のいくつかをパロディにしてはいますが、ストーリー自体はグダグダしています。(あまり話の展開とは関係のない)ドンの愛人(妻かも)である歌手のステージ場面が前半と後半にあって、上映時間を稼いでる印象。個別のギャグでは、クライマックスのマフィアの粛清でTVの出演者に狙撃されるところは面白かったかな。

マーロン・ブランドのモノマネは表情も含めてかなり似ています。主演のアリギエロ・ノスケーゼはイタリアでは超有名なモノマネ芸人らしく、レパートリーは1,000以上あるとか。映画には、本作の監督作品や、脚本を手がけているブルーノ・コルブッチのコメディに多く出演。ただ、6年後に拳銃自殺で亡くなったそうです。ドン・ヴィトーのメーキャップが素晴らしく、「サンゲリア」(1979)、「デューン/砂の惑星」(1984)、「ランボー3/怒りのアフガン」(1985)等で有名な特殊効果アーティストのジャンネット・デ・ロッシによるもの。あと、本家「ゴッドファーザー」のルカ・ブラージ役レニー・モンタナがドン・ヴィトーの部下の一人を演じてました。前半は終始無言、後半でようやくちょこっとしゃべったと思ったら爆死します。

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「大喜劇 ゴッドファーザーPART0」

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