「ダウン・フォー・ラブ: ときめきの恋を探して」(2022)

 

ダウン症の人たちが恋人を探すリアリティショーをNETFLIXで観ました。

 

 

監督・ナレーションはカンディダ・ビバリッジ。全5エピソード。予告編はコチラ

 

舞台となるのはニュージーランド。各地に住んでいる男女が番組制作側のチョイスした相手とブラインドデートをする様子を紹介していきます。最初の組み合わせでカップルが成立する場合もあれば、友達止まりにしかならなそうで、また次のデートにトライする人もいます。よくあるリアリティショーと違うのは、人生で初めて恋人を作ろうとしているダウン症の男女が出演者だということ。理解ある家族や友人に愛されて育った彼ら(年齢は10代後半からアラフォーまでと様々)が、理想の相手を求めてデートで奮闘。20人ぐらい登場しますが、ポスターに出てるのは主な登場人物で、左から22才のリーセル、21才のジョシュ、19才のリビー、30才のカルロス、32才のリリー、38才のジョン。

 

リーセルは最初のデート相手の男と意気投合するラッキーガール。デートするたびにチュッチュするカップルとなって、改めて性教育も受けて、次のステップに進んでいきそうな雰囲気ジョシュは陽気でおちゃらけることが好きな若造です。明るく振舞うだけでは恋愛に発展しないことを知り、3回目のデートでようやく・・・という流れ。リビーはダウン症少女の役で映画「Poppy」(2021)に主演したこともあるチャーミングな女性。数人の男性とのデートを経て、自分は男性より女性が好きなのではと思うようになっていきます。カルロスはプロのカメラマンで、水泳チャンピオンでもあるアクティブな好青年。最初のデートで気に入った相手に詩を書いて、自分の想いを告白します。舞台で女優業もしているリリーはデート相手に積極的にアプローチ、自分から告白するという展開。ジョンはSEXもしたいと正直な気持ちを口にする男。まだ見ぬ理想の相手に贈るための指輪を10年前から持っていて、初めてのデートに挑みます。

 

原題は「Down for Love」。意訳すると、"恋したっていいじゃない"といった意味でしょうか。NETFLIXには自閉症の人の恋愛リアリティショーも配信されてますが、そちらは未見。本シリーズはニュージーランドのダウン症協会が制作に協力しています。監督はニュージーランド版「バチェラー」の制作に参加してる人のようで、フツーのリアリティ恋愛ショーの作り。物珍しさ目線では作っておらず、恋愛未経験の男女の初々しいデートの様子が描かれます。お互いの境遇が理解できるダウン症の人と恋がしたいという点は、出演していた人の中では共通見解のようでした。恋愛することに飢えていて、ちょっと前のめり気味の彼らですが、いい人だと思うけど恋愛対象じゃないかなとデート後に感じて、上手くいかないケースがほとんど。女性で一番印象に残ったのは、女優さんをしているだけあって、感情表現が豊かでキュートなリビー。男性ではロマンチストのカルロス。「私は彼女が好きなのではない。愛してるんだ」とキザなセリフをほざくのが似合っています。ちなみに、リーセルは交際していたブレイデンと番組終了後に結婚したとのこと。おめでとうございます。