明日天気になーれ | 小説家のヒヨコがつづった物語

明日天気になーれ

重い、重い、重い。

今朝も暗いニュースばかりが流れて
お茶の間ではこうして、人の不幸を喜んでいる。
酒の肴にちょうどいいのは、あたしの今の境遇も同じ。

よりによって、結婚申し込んでしまった。
自分から、だ。
女の、自分から。
自分
から
言っちゃったっ、てーの。



どんだけ煮え切らない男なんだよ。
考えさせてくれって、超ド級マザコン男。
ゆうべ帰ってから一睡もせずに深酒、向かい酒の連続だよ。

ああ、ああ、ああ、あたしはさ、行き遅れの年増女だよ。

だけど気持ちは純粋なんだ。少女のまんまさ。
若い男に狂ったって言われてもいい。
あいつが好きなんだもん。

だから、お泊まりのときだって、このアパートでご飯つくってあげたじゃないの?



「もー、うるさいわねー、外、ピーピー、いったいなんなの?」










ぴー、ぴー、ぴー、ぴー ・・・

軽トラがバックしながら、アパートのある狭い路地に入って来た。

そして若い男の声だ。

「ああ、ここ、ここ、このボロアパート・・・」

「なんがボロじゃ・・・こりゃ・・・」 あ・・・


汗だくになった、ガキっぽい笑顔で、軍手で汗をふきながら、あいつが軽トラから降りたってこう言った。


「やっぱ、いっしょになるしかねえよな・・・おれら・・・ははは」







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