おんな百物語 1 | 小説家のヒヨコがつづった物語

おんな百物語 1


小説家のヒヨコがつづる物語


前日の予報通りに嵐がやってきた。

みなの傘が風に煽られて骨が折れ、布が破れた。
びしょびしょになりながら古寺に集まってきたのは99人。
残念ながら、1人が病で倒れてしまい、今夜の会合には来れなくなった。


今夜の会は、古来からある【百物語】らしい。

だが少しばかり趣向が違った・・・。



古寺に集まったのは、アラ・サーとアラ・フォーの独身女ばかり。みなそれぞれに煮え湯を飲まされ、あるいは飲ませて、今日に至ったという強者ばかりだった。

古寺の本堂にはあらゆる種類の香水が混ざり合い、満ちあふれて、それは天井の伽藍まで立ちのぼって、寺はさながら豪華絢爛女の城と化した。



リーダーと思しき女が立って挨拶した。

「それではさっそく始めましょう。
1人が欠席しましたが、
99人が集まりました。
これから、男たち、いや恋愛の話をします。
ちょうど100話が終わったとき、
あなたは素敵な恋をすることが出来るはず。
この会は、もう半世紀も続いているものです。
この会が終わるまで、
この場のことは誰にも口外してはなりません」

本堂の中が一瞬にして静まりかえった・・・









-----------------
sent from W-ZERO3