高インスリン療法の定説は破綻している | 健康、医療の本からピンポイントに紹介してゆきます

糖尿病治療の主流はいまだに高インスリン療法です。

 

糖質(主食)を摂って、血糖値を上げる

 下

それを、下げるためにインスリン量を増やす

 

 

 

SU薬 は、β細胞表面の受容体に結合

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K⁺(カリウム)チャンネルを強制的に閉鎖

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K⁺(カリウム)が細胞外に流れ出ない

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β細胞の細胞膜で電荷が変わる

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Ca(カルシウムイオン)チャンネルが開く

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β細胞内の「インスリン分泌顆粒」が開く

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インスリンが外に放出

 

 

低インスリン療法は

 

糖質を摂らない(血糖値を上げないようにする)

 

SU薬を使わない(インスリンを増やさない)

 

 

定説 きちんと治療せずに高血糖が続いた結果→腎臓の機能が悪くなる→腎不全をおこし、透析が必要になる

 

しかし、この定説は真実ではなかったのです。

 

高インスリン療法の基本的考え方

 

インスリンが少ない状態

                 >「悪」とする

インスリンの働きが悪い状

 

この考えにしたがって治療すると、目先の血糖値は下がる。

しかし、

インスリンを増やす、活性酸素も増える

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血管や臓器を傷める

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動脈硬化や臓器障害へと近づく

 

ACCORDスタディという研究

 

アメリカ、カナダで実施

 

HbA1c)※の目標値を通常より低く設定

 

一般に(定説)HbA1cの管理目標は7%ぐらいですが、ACCORDスタディでは、その目標を6%とし、厳格なコントロールを行う

 

2008年に結果報告

 

 通常の血糖値管理を続けたグループと比較すると、血糖値を厳格に管理したグループの方が死亡率が高くなりました。

 

 研究結果から、インスリン注射や内服薬で厳格な血糖管理をすると、かえって死亡率が上昇するという結論になります。

 

※HbA1c