とーかいのブログ

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7月4日~8日、下北沢Geki地下Libertyにて上演されたぱすてるからっとの舞台「斯くも寂(楽)しき人間達へ。」に小牧夢さんが出演するとのことで観てきました。

はい出演する楽チーム全5公演とも全部観てきましたよ。比較の意味もあって寂チームも一度観にいったので併せて6回。こんなに何度も同じ舞台を観るのは初めてでしたが、毎回新たな発見があったり、アドリブの違いがあったりとそれぞれ楽しめたと思います。

何もそんなにたくさん…とも思いましたが、要所だけ押さえても5回中3回は行くことになりだったら5回全部行っても大差ないし、演技の慣れと千秋楽の特殊要因を考えると3,4回目の公演が純粋に作品を楽しむのにちょうどよさそうという読みもありまして。結果的にはこのチーム真面目なタイプの人が多いのかよくあるアドリブの極端な増加や大げさな変化はなく、総合的に千秋楽が一番良かったのかなという気がしています。

 

生きる意味や命の重みを題材にした作品、と書けば重々しい印象を受けますが、想像するほどヘビーなものではなく、しかし考えさせられる内容の作品でした。思わず自分と重ね合わせたくなるようなことが多々あります。そんなに癖はないので多くの方に受け入れられやすい作品だと思います。

 

初の舞台ということでしたが、遠方からの方を含め多くの方に観ていただき、演技も初めてとは思えない出来で僕の想像を超える良いものになったと感じています。配役的に台詞の数はあまり多くはないのですが、出番はそこそこありましたし、程よくアドリブを入れて上手く咀嚼しているあたりは初めてとは思えないものでした。
割と台詞を噛む役者さんもいましたが夢の出番で噛んだと思われるのは7日夜の一回だけだと…聞くに裏で噛んだことをいじられたとか(笑) 2度と噛まないようにそのあとその台詞はめちゃくちゃ練習したそうです。
スケジュール的に苦しくなるのでそう頻繁にあっては困りますが(笑)、また機会があれば観てみたいと思いますし、そのときには更なる進歩に期待したいところです。
 
 
というわけでここからは作品の内容について。上演は終わってるので今更ではあるかと思いますが、一応ネタバレを含みますのでご注意。
 
 

「私、あなたが好きです」
本作品では幽霊同士、魂運びと幽霊との間での会話でたびたび手話を使うシーンが登場するが、本編最後のシーンで小春が吹雪に話す時にだけ唯一人間相手に使われている。そしてこのシーンは声に出さず手話のみの会話で、印象を強める。本編の最後にヒロイン・小春が主人公・甲斐吹雪に伝えたこの言葉、きっと彼にとって最高の「生きる意味」になるだろう。

この作品では、命を軽んじている人間と、命の大切さを理解してもらいたいと願う死神、魂運びのぶつかり合いがある。時に、人は自分が生きる意味を見失う。でも彼がそうであったように人は誰かに支えられ、誰かを支えている。人の支えになること、それは決して自らの考えでは否定できない大きな「生きる意味」だろう。命の重さ、自分のことのようで決して自分だけの問題ではない人の生と死。思わず自分と重ね合わせて考えたくなる、そんな内容である。


「そういう人なんです、てへっ」
小牧夢さん演じる東海林氷雨(しょうじ・ひさめ)はヒロイン・緑川小春の友人であり同業者。突然亡くなった小春に会うため、祖父の部屋で見つけた黒魔術の本にあった手順で魂運びを呼び出し、小春の居場所を突き止める。代償として髪の毛を差し出したが、居場所を知るだけでなく話をしたいと自分の魂を差しだそうとして魂運びに咎められる。教えられた吹雪の自宅に押しかけ強引に上がり込んで小春を探そうとする。
小春にもう一度会うことに強い執着心を示したことは、人が人に会える、話せるいったことが重要な意味を持つということの象徴。そして魂の半分を差しだそうとしたことが、人間には命の重さが分かっていないということの象徴。作品内ではそんな人間の縮図としての意味を持つ登場人物といえるか。
吹雪の家に上がり込むのに大声を出したり、小春がいると確信するとテンションが上がったり、ちょっとお転婆な面のある子。ちょっと騒がしかったり、わがまま言ってみたり、仲のいい子との人間関係を大事にしていたり。なんかそういう部分が本人に重なるような気がして、ぴったりの役なんじゃないかとすぐに思った。というか知ってる人は同じことを思ってるんじゃなかろうか。これ本人そのままじゃん、と。