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ショコラのブログ

ブログやら語り。

ファインディング・ドリー観てました。
以下、ネタバレです。








































①ドリーの家族

ドリーは海洋研究所の生まれ。
幼いドリーが両親と過ごし、はぐれてしまうところから物語はスタート。
障害レベルの物忘れの酷さがありながらも、両親の愛情をたくさん受けていたドリー。
ある日、娘の特性を理解して受け入れている両親だけど、彼女の将来を不安に
思って泣いてた母親と慰める父親。
母がなぜ泣いてるか分からない幼い彼女は、母の好きな紫の貝殻を探しに行こうとして激流に乗ってしまい、海に投げ出されて両親とはぐれてしまう。
幼いなりに母親のために何かをしようとして、その結果はぐれてしまうなんて悲劇。

「家族は私に会いたくないかも。
私のせいではぐれたから。」
そう言うドリーを励ますマーリンは、彼女の友達であり、一児の親としての気持ちもあると思う。
離ればなれになった我が子と、会いたくない親なんて有り得ない。
それは前作をふまえ、彼が一番よく分かってる事。
前作は、親が子供を探しに行く話。
今作は、子供が両親を探しに行く話。
立場が反対だけど、テーマは同じ。


②新しい仲間

今作からの新しいキャラ達が個性的でかなり魅力的でした。

ジンベイザメの女の子のデスティニーは、ドリーとパイプを通して会話してた思い出のある幼馴染み。
白イルカのベイリーとの絡みが微笑ましくて可愛い。

タコのハンクは何故か足が7本しかなく、「海にはろくな思い出がない。」と言うのが気になるところ。
海に帰りたくないため、ドリーの水族館行きのタグを貰うために彼女に協力する仲間。
彼の低い声と、面倒見の良さとビビりなところが素敵で、個人的には今作で一番好きなキャラ。


③記憶の断片

何でもすぐに忘れてしまうドリーだけど、断片的に少しずつ家族の思い出を甦らせていきます。
忘れる=完全に記憶が消える事ではないんだと思う。
デスティニーの存在は忘れていても、「デスティニー」という言葉に反応したり、
「タコの心臓は3つある。」と急に知識を披露して、何でそんな事を知ってたのかと思えば、ドリー達家族が暮らしてた水槽の上にその知識が書かれてる看板があったり、眠っている記憶がちょっとしたきっかけで少しずつ目を覚ましていき、パズルみたいに繋がっていく展開が面白かった。


④ドリーとハンク

このコンビが物凄く好きです。
家族を探すために協力が欲しいドリーと、水族館行きのタグが欲しいハンクは一緒に行動する事になる。
つまり、利害の一致による協力関係。
忘れっぽいドリーにイライラしたり、ドリーも「ハート(心臓)が3つもあるなら思いやりを持ってよ!」的な事を言い返したり、
ふれあいコーナーで子供達の乱暴な手が降り注ぐ中、隠れようとするハンクの触手を引いてドリーが泳いで駆け抜けたり・・・
そうこうするうちに、いつのまにか友情か絆みたいなものが芽生えていく。
利害の一致により行動し始めたから、お互いの利害を達成したら満足して離れられるはずなのに、離れる時にはお互いが寂しそう。
ドリー役の室井さんが言ってたように、あれだけ忘れっぽい彼女がハンクの事は忘れないのよね。
マーリンと出会った時だって、ニモを探す協力を求められたのを即忘れて「何でついてくるのよ?!」なんて言ってたのに。
ハンクとは何度か離れたり合流したりを繰り返すのに、彼の存在を忘れない。
最終的には、あれだけ水族館に行きたがってた彼に「水族館なんか行かせない。海に帰るの。」と一緒に連れて行こうとする。
で、渋ってたけど結局、ハンクもドリー達も一緒に海に行く。
彼もドリーの事を気に入ってるんだと思う。
彼女とはぐれた時に、触手の先をドリー色に変えて眺めて何やってたんだろう(笑)

クライマックスの
「無茶な事頼んでもいい?」
「無茶はもう慣れた。」
って言い合う関係になってるのが素敵。


⑤苦手な事があっても出来る事

物忘れが激しいドリー
心配性なマーリン
片鰭の小さいニモ
視力が低いデスティニー
エコロケーションに自信がないのか治ってない事にしてたベイリー
海に帰りたくないハンク

この物語の主要キャラの大半は障害のようなものがあったり、気持ちの面で問題があります。
それでも、彼ら1匹1匹が自分なりに考え、自分や仲間のために努力していきます。
苦手な事や問題があっても、出来る事はある。
それでも出来ない事があったら、ドリーの父の言うように「他の方法を試せばいい。」
または、マーリンがしたように「ドリー(他者)ならどうするか」を考えたり、
ドリー自身がしたように「私ならどうするか」を改めて考えたり、そうすれば道が開けるかもしれない。
そんな事を思わせてくれる作品でした。


⑥エンドロールと・・・

今回のエンドロール前半の、ハンクの擬態コレクションが可愛いし面白くて、ずっとニヤニヤしてました。
後半も、スタッフロールの背景は魚や海藻が揺らめく海の中。
少しずつ浮上していき、スタッフロールの終わりには水面へ。
観客席ごと自分も海に沈んで浮上するような、楽しい感覚。

そして、浮上した先の水面に現れたのは、ギル達水槽の仲間。
前作のラストから袋詰めのまま!
1年間も袋詰めにされたままで、どうやって生き延びてたんだよ・・・
「よぉし!ここまで来れば何の問題もない!」
って何でェエ?!何も解決してないよ、ギル!!
彼の命知らずなポジティブさは何処から来るのか(笑)
と思ってたら袋ごと全員、海洋研究所に収容されましたね。
あの施設は治療して海に帰す事を目的としてるから、袋からは出してもらえるし、上手くいけばあれだけ望んでいた海に帰してもらえるかも!
水族館行きのタグをつけられなければね・・・。

彼らの行く末が激しく気になるので、短編でいいから後日談ください。