


いかにも悪役!っていう外見。




物語の途中まで、フロローはカジにとって育ての親、ゴーテルはラプンツェルにとって母親、スカーはシンバにとって伯父さん、ジャファーはサルタンにとって信頼できる家臣だったように、
主人公サイドがヴィランズを味方だと思い込んでた例はあっても、いかにも悪そうな外見だし、彼らの本性や悪事は早い段階で劇中で明らかになってるから、観客には彼らがヴィランズである事は最初から明かされてるも同然。
いかにも悪そうな悪役、悪役の中の悪役。
これがディズニーヴィランズの魅力でもあった。
でも最近の作品のヴィランズはどうでしょう。
①アナと雪の女王のヴィランズ、ハンス王子。

この爽やかな笑顔!ヴィランズ要素皆無!
ディズニーでは、青や白、金色は主人公サイドの色、赤や黒、紫はヴィランズの色と言われてるが、ハンスの配色は青、白、金色。
そしてクライマックスまで一切の本性を現さず、プリンセスのアナとロマンスを繰り広げる伝統的な王子キャラを演じている。
悪事の動機は王位の強奪と王国乗っ取りという私利私欲。(某小説では動機に起因する悲惨な生育環境があるらしいが。)
ロマンス担当のプリンスかと思いきや、暗殺計画まで平気でやってのける凶悪ヴィランズという斬新さ。
②ベイマックスのヴィランズ、キャラハン教授

カブキマンという悪役らしい仮面の男ですが、その正体は主人公兄弟の才能を認めてくれて、兄弟からも尊敬されてた教授でした。
この人が初登場した時点では、カブキマンの正体らしきヴィランズ要素は皆無。
なのに、直接殺したわけではないけどタダシの死の原因を作り、それを何とも思っていないし、何の恨みもないはずのヒロ達のような、未来も才能もある学生を邪魔になるなら平気で殺そうとする。
悪事の動機は娘のための復讐。
元は良い父親だっただろうに、娘を失った事で、関係のない相手まで平気で巻き込む復讐者に成り果てたという今までにないタイプのヴィランズ。
そして、
※この先、ズートピアのヴィランズのネタバレあり※
物語の核心をバラしてるので、ネタバレ嫌な方は即、戻ってください!
③ズートピアのヴィランズ、ベルウェザー。

この小さくて可愛い羊ちゃんがヴィランズですよ!?信じられる?!
彼女はズートピアの副市長。
市長のライオンが、草食動物の彼女を副市長にしたのは、彼女と同じ羊や草食動物の支持を集めるためであって、実際は彼女を侮蔑的な蔑称で呼んで、こき使っている。
彼女の悪事はたくさんの肉食動物を拉致し、薬品を注入して狂暴化させ、肉食動物への逆差別を引き起こし、草食動物中心の社会を作る事。
(映画公開前に仕入れた情報なので誤差があるかもしれません。)
差別されてきた弱者が、強者を貶め、権力を勝ち取ろうとする、彼女なりの正義に基づいた行動。
でも自分をこき使ってる市長だけでなく、直接関係のない肉食動物を巻き込んで社会を混乱させる逆差別だし、
ニックに薬品を注入し、彼女と同じ草食動物のジュディを襲わせる、つまりパートナーにジュディを襲わせるという残酷な事をやってのけるらしいから、紛れもないヴィランズ。
歴代のヴィランズは、いかにも悪そうで、悪を自覚していて(フロローは例外)、悪に誇りを持っていて、目的は私利私欲が多かった。
でも最近のヴィランズは、善人そうな外見で観客を騙す気満々のネタバレ要素を含んでいて、目的や動機も多様化しつつある。
ディズニー映画はテーマやプリンセスやヒロインの女性像も変化してきていると言われているけど、ヴィランズも同じなのかもしれない。
追記:ただ、ハンスがまさにそれだけど、ネタバレ要素を含むためヴィランズとしてのグッズ展開やショーパレ出演は難しくなり、かといってヴィランズはヴィランズなので、主人公達と一緒に普通にグッズ展開させるのも違和感という事態があるのが難点(゜゜;)