(7)セラピードッグの適性とトレーニング
●セラピードッグの適性
純血種だけではなく、適性があれば、雑種であってもセラピードッグとして活躍できます。
セラピードッグの適性とは・・・・
*咬み癖がない
闘争心が強く、咬む力が強い犬は避けたほうがよい。例えば、ブルドッグ、マスティフ、土佐犬など
*ストレスに強く、環境への適応力がある
*「従順さ」、「親和性」がある
*どこを触られてもがまんできる
*忍耐強い(がまんして待つ)
セラピーの対象者が活動的、能動的になるための必須条件として、セラピードッグには、「待つ」ということを長時間、持続することが求められる
●セラピードッグに求められるマナーとトレーニング
犬は恐怖を感じると、走って逃げようとする、尻込みをして座り込む、震えるといった行動を起こしたり、パニック状態になると、オシッコを漏らしたり、脱糞することもあります。
さらに、吠え立てる、牙をむいてうなる、咬みつくといった攻撃的行動も見られます。
セラピードッグは、吠えない、咬まない、しっぽを踏まれたり大きな音を立てられても逃げ出さない、叩かれても、杖を振り回されてもおとなしくしていることを求められます。そのような突発的なできごとにも動じない訓練ができていないと利用者を怖がらせたり、危険を及ぼす可能性もあります。
*サプライズマナー
セラピー活動を行っている時に、何か驚くようなことがあっても、パニックを起こさない
*ケインウォークマナー
杖を使っている人と一緒に歩ける、杖が倒れても驚かない
*ホイールチェアマナー
車椅子と並んで歩ける、移動する速度に合わせて歩ける
*ベッドマナー
まず、椅子や台の上に乗せられることに慣れさせる。そして、ベッドに乗せられても、静かにしていられるようにする。ベッドに寝ている利用者の足元からほふく前進しながら、少しずつ顔の方に近寄っていく。
ほふく前進の訓練は、ダウンの号令で伏せをさせる → リードの首輪に近いところを持って、頭を上げないように床に着けさせたまま、前方の床を指先でコツコツと叩きながら、前進させる → お尻をあげたら押し下げて、1~2歩進めたら、しっかりほめる
*ホールディングマナー
利用者に抱かれて、じっとしていられる。
「名医ジャスティン」 生長 豊健著 講談社刊