「がんばれ!ベアドッグ」 - クマとともに生きる - 太田京子 著 草炎社刊
クマを殺さず生かす方向へ変わってほしい。
人間を守り、クマも守る、心強いパートナー、
ベアドッグの「ブレット」と「ルナ」が活躍-。
人も動物も豊かに生きられる地球の存在を願う、
その想いがエネルギーになる
(はしがきより)
人は古くから犬たちの能力を知っていて、狩猟や外敵からの侵入の見張り役など、生活に役立てていました。
今では、牧羊犬、盲導犬、警察犬、介助犬、麻薬探知犬、災害救助犬・・・・などなど、特別な訓練によって、その能力が引き出され、多くの人の役にたっています。
このベアドッグもアメリカでは、職業犬として認められています。
人にはつねに友好的ですが、クマには「こっちへ来るな!」と激しく吠え立て、クマのいてもいい場所へと導きます。
クマにとってはちょっと怖い存在ですが、吠え立てるだけで深追いはせず、ケガを負わせたり戦ったりするわけではありません。
クマに人間の怖さをおしえ、逃げ道まで誘導する。いわば、人間を守り、クマも守る、心強いパートナーです。
ベアドッグは、カレリア犬という種類で、ロシアとフィンランドの国境にあるカレリア地方を原産とする犬です。
かつては、ヒグマ狩りに使われていたそうで、からだの色は黒白、ハスキー犬と同じぐらいの大きさです。
この犬は、繊細で独立心が強く、かなりの運動量が必要で、通常の家庭犬としての飼い方をされたのでは、ストレスのかたまりになってしまうので、ペットとしては向いていないそうです。
生後5週目から、クマと実際に対面させて「クマを恐れないこと」「クマに興味をもっていること」など、クマ対策に適した子犬だけが選ばれます。
(本文より抜粋して編集)