(1)胎内
妊娠している母犬がストレスを感じる環境にいると、産まれてくる子犬は、かなり臆病な性格になるという研究報告があります。
妊娠後期の1/3程度の期間でも、母犬がストレスを感じる状況にあると、その子犬は学習能力が低い、極端な行動を起こしたり、興奮しやすいといった性格になる傾向があると言われます。
それは、母犬の体内に分泌されたコルチコスロイドというストレス関連ホルモンが、子犬の脳に影響を与えたためではないかと考えられています。
また、母犬の子宮のなかにいる時に、子犬の脳に影響を与えるもうひとつの要因には、同腹の兄弟たちの存在があります。
例えば、ほとんどがオスばかりの兄弟犬と一緒に産まれたメスの子犬は、行動がオスに近くなる傾向があると言われています。それは、オスの胎仔が多いとアンドロゲンという男性ホルモンが胚液に漏れ出して、メスの脳に影響を与えたためではないかと推測されています。
(参考資料)
「犬も平気でうそをつく」 S.コレン著 文春文庫刊