(32)高安村 犬の宮 由来記 (山梨県 八代郡)
都から来た役人どもが、「年貢のかわりに、子どもを差し出せ」と命じたので、高安村の人たちは、言われるがままに、春と秋、それぞれ2人ずつの子どもを差し出していました。
旅の座頭が、その話を聞いて、甲斐八代郡の南宮宝性大神社で飼われていた、「三毛犬(めっけいぬ)」と「四毛犬(すっけげいぬ)」の2匹の犬を、村に連れて帰ってきました。
村人が、子どもの代わりにその2匹の犬を役人どもに差し出すと、役人どもは、大だぬきに姿を変え、犬たちとの間に、壮絶な闘いが始まりました。
犬たちのおかげで、大だぬきどもは退治されましたが、深手を負った犬たちも、死んでしまいました。
村人が、勇敢に闘って死んだ犬たちを祀ったのが、「犬の宮」の由来です。