(22)犬と肉屋 (イソップ寓話)


肉屋が忙しく働いているすきに、犬が店に忍び込んで、切り取られた心臓をくわえて、逃げていきました。


それに気づいた肉屋は、犬に向かってどなりました。


「こいつめ、おぼえてろ! おまえのことは、こんりんざい、忘れないからな!」


そして、こう、つけ加えました。


「おまえは、心臓をかっぱらうのに成功したと喜んでいるだろうが、おれに、おまえをやっつける心を植え付けていったんだぞ!」


「成功は、しばしば災難のもとになる。災難はしばしば、いい教えになる」