(21)おおかみと仲直りした犬 (イソップ寓話)
おおかみが犬たちに言いました。
「きみたちは、みんな、おれたちとそっくりなのに、どうして、おれたちのように自由な暮らしをしないで、人間につかえて、なぐられてもがまんして、首輪をつけられて、羊の番をしているんだい。きみたちのご主人は、自分は肉を食べるくせに、きみたちには骨を投げ与えるだけじゃないか」
そして、こんな提案をしました。
「きみたちが番をしている羊どもを、おれたちに引き渡さないかい。そして、みんなで山分けして、腹いっぱい食べようじゃないか」
犬たちは、なるほどと思って、「いいとも」と承諾しました。
それから、おおかみたちは、羊が休んでいる岩穴に入ってくると、まず、犬たちを殺してしまいました。
「自分のつとめを裏切ると、こんな報いを受ける」