犬のウンチと腸内細菌の関係


人間の食品と同じように、犬のフードにも、殺菌剤や防腐剤が使われています。


最近は、ドッグフードであっても、身体に害を及ぼす疑いが指摘されているような食品保存剤ではなく、人間の食品に使用が認められている添加物が使われるようになっていると言われます。


しかし、そのような安全性が認められた殺菌剤や防腐剤であっても、体内の微生物を殺してしまい、細胞の活力が失われることになって、生命力の低下につながっていくと指摘されています。


もともと、地球上の「動く細胞」は、細胞が好気性の細菌を取り入れてできた「ミトコンドリア」が始まりでした。植物細胞は、光合成細菌を細胞に取り入れて葉緑体にしましたが、動物細胞は、微生物のスピロヘータと共生して「動く細胞」に変化したのです。


動物の体を構成している細胞は、細菌などのさまざまな微生物との共生によってできているわけですから、毎日のように、食品とともに殺菌剤や防腐剤を体内に摂り入れていれば、必要とされる微生物を減らす結果になると考えられています。


犬のウンチが腐りにくくなっていると指摘されるのは、ペットフードに含まれている殺菌剤や防腐剤で、ウンチを分解する微生物が十分に繁殖できなくなっているからだという指摘もあります。


ウンチ1g当り、約1兆個の細菌がいると言われ、ウンチの中身の半分は、腸内細菌です。


人間の場合には、大腸には100種類以上、1000兆個以上の腸内細菌が棲んでいて、その全重量は約1.5kgにもなるそうです。


それらの細菌が、「腸内フローラ」と呼ばれている「菌のお花畑」を作っていて、そこには、善玉菌と言われる「ビフィズス菌」や、悪玉菌として有名な「大腸菌」、「ウェルシュ菌」などが共存しています。


腸内にいる多種多様な菌を、「腸内常在菌」と呼びますが、善玉菌、悪玉菌の他に、普段は善玉として働いていて、体調が崩れると悪玉として悪さをする日和見菌というのもいます。


悪玉菌と呼ばれる大腸菌も、ビタミンを合成したり、他の有害菌をやっつけたりする働きをするので、決していらないものというわけではありません。


これらの腸内常在菌たちが、バランスよく、安定した状態でいることが、最良の腸内環境ということになります。好ましい状態は、「善玉菌がいっぱい、日和見菌ほどほど、悪玉菌は少々」なのだそうです。


善玉菌の代表格は、乳酸菌で、ビフィズス菌やラクトバチルス菌(乳酸桿菌)です。


腸の手術後に、フードにヨーグルトを混ぜて与えると、乳酸菌の働きで回復が促進されるという研究結果も発表されています。また、抗生剤は腸内菌のバランスを崩すが、乳酸菌は腸内菌を安定させ、下痢の原因になるサルモネラ菌などから腸を守ることが分かりました。


乳酸菌は、ビタミンを産生したり、免疫力を高める働きをしていますが、腸の中を酸性にして、有害な菌を排除する役目も果たしています。多くの菌は、pH5以下の酸性の環境では生きていけないのです。


健康な腸内環境を整えるには、腸内に乳酸菌群のビフィズス菌やラクトバチルス菌を多くすることです。


しかし、ヨーグルトを食べたり、乳酸菌飲料を飲んでも、ビフィズス菌やラクトバチルス菌の生菌は胃酸で90%近くが死んでしまいます。それでは、乳酸菌が入った食品を食べることはムダなのかというと、そうではありません。


乳酸菌が出す分泌液は、胃酸や熱に強く、腸まで届いてエサになって、ビフィズス菌やラクトバチルス菌を増やすことになるのです。


ビフィズス菌やラクトバチルス菌のエサになるものに、「オリゴ糖」があります。


オリゴ糖は、デンプンや砂糖、大豆、乳糖などを原料にして作られる「少糖類」です。オリゴ糖は、熱や酸に強く、胃酸や消化酵素に分解されずに、腸まで達して、乳酸菌群のエサになります。


オリゴ糖は、大豆、ごぼう、玉ネギなどに多く含まれていますが、犬の場合には、玉ネギは食べさせられませんから、それ以外の食材を選ぶことになります。


腸内の細菌叢「腸内フローラ」をバランスよく保つ方法には、「食物繊維を多くとる」ことがあげられます。


食物繊維は、ウンチの量を増やして、有害物質を吸着して、体外に出します。それが、乳酸菌群が棲みやすい腸内環境を整えることに役立つのです。


健康に役立つ微生物を増やして、腸内環境を整える考え方は、「プロバイオティクス」と呼ばれています。


「ナチュラル発酵製法=プロバイオティクスのドッグ・フード」


「ペットウェルシス」というドッグフードは、納豆菌の親類菌である生きた菌と酵母を使って、27時間かけて、配合する原料をあらかじめ発酵させています。


1.発酵熱で、有害な菌やカビなどが死滅するので、防腐剤が不要

2.発酵することで、原料の旨味成分が増えるので、脂肪のコーティングが不要(=傷みにくい)

3.植物性タンパク質、炭水化物、脂質が消化吸収されやすくなる

4.天然の抗酸化物質が吸収されやすくなる


ペットウェルシス ナチュラルテイスト・ドライフード


*消化吸収性に優れ、腸内環境のバランスを整える

*合成保存料は使用していない

*フラゴオリゴ糖、ポリフェノール(繊維質)を豊富に含む低カロリーの「ヤーコン」配合


ペットウェルシス


参考図書 「ウッふん」 藤田紘一郎著 講談社刊



ウッふん