(2)捜索救助犬(エアセンティング・ドッグ)の適性
欧米では、足跡追求・臭跡追及での捜索に使われている犬種として、ブラッドハウンドが有名です。
しかし、どんな犬でも、嗅覚が良ければ探索救助犬の候補になります。そして、捜索救助犬としての能力の優劣は、身体的な作業能力と作業に対する意欲によって、左右されます。
*捜索救助犬としての適性
① 人を信頼していて、社会的であること。人間や動物に対して少しでも攻撃性を見せる犬は不向きです。
② 旺盛な遊びの意欲があること。遊びの意欲のあまりない犬は、ほとんどの場合、捜索救助には不向きです。
③ 攻撃的でも支配的でもなく、落ち着いて大胆で、自信を持っている犬。人が好きで、人を喜ばせるのが好きなことも大切な素質です。
④ 見慣れない場所や、新しいものに対して好奇心がある犬。
⑤ 若くて健康な犬。平均的に使役犬の場合、8~9歳から体力が落ち始めます。救助犬として出動できるレベルになるのに約18ヶ月の訓練期間がかかるとされるので、若い犬が望ましいのです。
*捜索救助犬の犬種
一般的によく使われるのは、狩猟犬、牧羊犬、スポーティング・ドッグで、ラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリーバー、ジャーマンシェパードなどです。
その他にも、捜索救助犬として活躍している犬種には、ボーダー・コリー、ボーセン(ヨーロッバのボクサー)、シュナウザー、エアデールなどがあります。
屋外で作業するために作出された犬種は、捜索救助の作業意欲と身体的能力を持ち合わせています。
ブルドッグやペキニーズといった鼻の短い犬種(短頭種)、ダックスフンドやウェルシュ・コーギーのような短足・胴長の犬種は、不向きと考えられています。