(4)ボランティアのリスク管理


1. 私物を盗まれることもある。
ボランティアに来ている人は全員が良い人だと思い込んでいる人。自分の荷物をどこかに置きっぱなしにして、盗まれてしまう。自分の荷物は身につけたまま動くか、ボランティアセンターの本部に預ける。


2. ボランティアは命がけの仕事ではない。
倒壊した家屋から生活用具を取り出そうとしている被災者から、手助けを頼まれとしたら。困っている人を助けたいという善意の気持ちがあっても、命がけの仕事をしてはいけない。倒壊家屋に入れば、再び崩れて下敷きになる可能性がある。「できる」ことはできる、「できない」ことはできないとはっきり告げることが大切。安請け合いをすると後でトラブルになることも。


3. 被災者の心のケアは専門家にまかせて。
被災者の中には心理的なダメージを受けたり、PTSD(心的外傷後障害)とされる精神的な障害に苦しんでいる人がいる。そういう人の心の領域に、素人のボランティアが立ち入ってはいけない。医師などの専門家にまかせる。


4. ボランティアを語る悪徳業者
「引越しを無料で手伝います。」と被災者に近づき、仮設住宅まで運ぶ。感謝する被災者にすかさず、「壊れた家具や電化製品の代わりを格安であっせんしましょう」と勧める詐欺まがいの売り込みだった。何も知らないボランティアが、その引越しを手伝わされた。


5. 宗教団体の勧誘
「被災地の子どもたちだけを預かります」と声をかけてきた団体。ボランティアの名をかたった怪しげな宗教団体の勧誘だった。