(2)行政は「動物救護事業を民間に委ねる」ことを決定した
1. 震災直後は、行政担当者は全て人の救護活動に当らなければならず、その段階で動物救済にまわることは、被災者の理解が得られない状況だった。
しかし、被災動物を放置することは、動物愛護の観点から許されることではなく、被災者の感情も考えて、可能なかぎり、早急に動物救済を行う必要がある。
2. 動物の収容・保護を行政が行う場合、現行では財政的にも人的にも長期飼育はむずかしく、やむを得ず、殺処分を行っている。
しかし、被災動物に現行法制を適用して殺処分することは道義的にも許されず、県民の理解も得られないと判断した。県の財源を使って動物を保護する場合、審議に時間がかかり、速やかに事態に対応できない。
3. 震災当時から動物救済を求める県民の希望が多く、獣医師会を中心とした動物にかかわる専門家が団結して救済事業に従事することとする。マスコミにも呼びかけ、全国からの義援の力が寄せられることを期待する。
(参考図書)
「すべての犬に里親を!」今西乃子著 講談社刊