●搬送方法

*大型犬の場合は、片腕で犬の胸を抱え、もう一方で犬の体の下に入れて、そのまま持ち上げる

*小型犬の場合は、片腕で犬の胸を抱え、もう一方で犬の首の下に回して、抱き上げる

*広げたバスタオルやシーツに載せて、二人で運ぶ

 (ダンボールは破れたり、手を滑らせることがあるので使わない)

*箱やケージに入れて運ぶ(首が曲がらないように)

*首が曲がらないようにして、箱やケージに入れて運ぶ


●ケガの処置


咬まれないように、包帯やタオルで口輪をする。


1. あごの下からひもを通して、マズルの上でクロスする

2. マズルの下にひもを持って行って、クロスする

3. 首の後ろで結ぶ


マズルのつけ根=アゴに近いところでクロスするようにすれば、呼吸が苦しくない。

必ず1回でかっちりかける。失敗すると抵抗して二度とやらせない。


●傷の処理


外傷を負っていても、出血が少なく、血が止まっている場合
細菌感染を防ぐ処置をする。傷口を少し絞るようにして、患部を流水で洗う。
洗える流水がない場合でも、患部についた砂などをできるだけ取り除く。
動物用の薬品がない場合には、応急処置として人間用の抗生物質の入っている軟膏を傷口に塗って、滅菌ガーゼをあてて、包帯を巻く。
ひどく化膿している場合には、オキシドールやヨード系の消毒薬は、皮膚への刺激が強すぎるので、使わない。


静脈出血の場合
圧迫止血をする。
静脈からの出血には、圧迫止血を行う。清潔なバスタオル、布、生理用ナプキンなどの吸水性パッドなどを使って、患部に強く押しつける。血がにじんできても取り替えない。
血が止まったら、ガーゼや包帯をゆるく巻いて、傷口を保護する。
耳からの出血では、止血をした後、つま先を切ったソックスや布で頭を包んで、犬が患部をかいてしまわないようにする。
鼻から出血しているときは、鼻の上部を冷やして、鼻の穴に吸収性パッドをあてると血が止まりやすくなる。


* 動脈出血の場合
  間接止血をする
   出血箇所から心臓に近いところをしばる。
   細胞の壊死を防ぐために、10~30分置きにゆるめる。(時刻をメモしておく)
   出血が止まったら、圧迫止血に切り替える。


●骨折


痛みが激しく、犬があばれて傷を悪化させるおそれがある。そえ木をあたようとして患部にふれたりすると、暴れることもあるので、とりあえずケージに入れて安静を保つ。


骨が見える状態であれば、応急処理を行う。傷口を消毒液(3%の過酸化水素など)で消毒し、殺菌したガーゼで覆う。可能なら添え木を当てて、軽くしばる。添え木がなければ、新聞紙、雑誌、段ボールの切れ端などを利用する。犬を運ぶときには、平らな板や段ボールなどの上に載せて、担架にする。


●やけど


すぐに患部に流水をかけて、皮膚の温度を下げる。犬の頭や顔に水をかけないように。暴れることがある。患部の皮がむけてしまったりしないように、ぬれた布で覆う。繊維がはがれやすい脱脂綿などは使わない。


●犬の救急箱


消毒済みのガーゼ、包帯、消毒用アルコール液、イソジン液、脱脂綿、止血剤(クイックストップ)、水くみ容器、ハサミ、安全カミソリ、ピンセット、木片、口輪、湯たんぽ