●犬の救急救命-緊急時の応急処置


1.平常時の犬の状態を知っておく


脈拍   : 股動脈に指を当てて、測る

        子犬は、110~120回/1分間

        大型犬の成犬は、60~80回/1分間

        小型犬の成犬は、80~120回/1分間


呼吸   : 胸郭の動きで、測る

        子犬は、20~25回/1分間

        成犬は、14~16回/1分間


体温   : 直腸で、測る

        38~39℃


CRT   : 抹消血管再充填時間(歯茎を押して、元の色に戻る時間)

        2秒以内


脱水症状: 皮膚をつまんで離すと1秒以内に元に戻る。

        戻るのが遅い場合には、脱水症状を起こしている。


2.緊急時の応急処置


1. 周囲の状況から、自分の身の安全が確保されているかを確認する


2. 犬がどんな状態かを見極める (時間は1分以内)

「意識はあるか」、「呼吸をしているか」
体を揺すってはいけない。耳元で呼びかけて確認する
誰が見ても死んでいる状態の犬はあきらめて、助けられる見込みのある犬に向かう


3. 救命救急の応急処置のタイムリミットは15分。


「意識がある場合」


* 咬まれないように注意する

 外傷があるかどうかをチェックする

 むやみに動かさない(特に首まわりに注意)

 逃走したりしないようにリードをつける


「意識がない場合」


 呼吸の確認 (胸郭が上下に動いているか)

鼻、口に鏡を近づけて曇れば呼気が確認できる。かざしたティッシュペーパーが動けば、息をしている。

 脈拍をチェックする

 右を下にして寝かせて、安静にする


「心臓が動いているが、呼吸をしていない場合」


 人工呼吸をする


「心臓が動いていない(呼吸もしていない)場合」


 人工呼吸と心臓マッサージをする