眼には、カメラのレンズのような役割をする「水晶体」という部分があります。それが、老化とともに白く濁ってくる症状を、「老年性白内障」と呼びます。
水晶体は、水とタンパク質で構成されていて、通常は透明ですが、その構成バランスが崩れると透明性が維持できなくなって、白濁します。
老化現象のひとつなので、個体差はありますが、10歳を過ぎた犬の多くが白内障になると言われています。
白内障になりやすい犬種としてあげられているのは、コッカー・スパニエル、プードル、ビーグル、アフガン・ハウンド、狆などです。
視力が低下すると次のような行動がみられます。
1.柱や白い壁によくぶつかる
2.階段を踏み外す、昇り降りをいやがる
3.夕方や夜になると歩きにくそうにする、散歩するのをいやがる
4.少し離れるとついて来られない
5.動くものを眼で追わなくなる
犬にとっては、目が見えないことはそれほど大きな支障にはならないと言われますが、例えば、段差のあるところに来たら、先に「オスワリ」をさせて、段差があることを知らせたりするなどの飼い主のサポートは必要です。
白内障は、薬で進行を遅らせることができますが、完治させることはできません。
そこで、濁った水晶体を取り除く手術があります。通常は、60分程度で終わる手術です。
手術では、濁った水晶体の中身を取り除いて、水晶体嚢と呼ばれる薄い膜の中に、視力を補正して水晶体のかわりをするプラスチック製の「眼内レンズ」を入れます。
この犬用の眼内レンズを開発したのが、人間用のコンタクトレンズのメーカー「メニコン株式会社」です。
「メニわんレンズ」は、関連会社の株式会社メニワンが販売しています。