●認知障害を予防する
1.刺激の少ないワンパターンな生活を送らせないで。
日本神経学会が発表したレポートによると、生活習慣の改善が認知障害の予防につながる可能性が指摘されています。犬の場合でも、一般的に屋外で暮らしている犬に認知障害が多いとされますが、外で飼われている犬は室内犬に比べて、単調な生活をしていることが多いからではないかと考えられます。
食事を与えて、散歩をさせたら、あとは放ったらかしといった単調で刺激のない生活を続けているうちに、認知障害は少しづつ進行します。
お留守番が多く、飼い主や家族とのふれあいが少ない孤独な環境にいる犬は、徐々に喜怒哀楽の感情を表すことが少なくなり、いつの間にか認知障害になってしまうかもしれません。もともと群れを作って行動している犬は、孤独が苦手だと考えられています。
2.不飽和脂肪酸を含む食物を食べさせましょう。
日本神経学会は、魚を食べることが認知障害の予防に効果があると発表しました。イワシなどの魚類にたくさん含まれている「不飽和脂肪酸」に神経細胞の働きを高める働きがあるからです。
認知障害の犬の血液を調べたら、血中のドコサヘキサエン酸(DHA)やエンコサペンタエン酸(EPA)といった不飽和脂肪酸の濃度が低く、正常な犬の三分の一程度だったと報告されました。
一本調子に鳴き声をあげるといった認知障害症状の犬に、不飽和脂肪酸の粉末を食餌に混ぜて与えたところ、その症状が改善されたという報告もあります。
不飽和脂肪酸は、体内では合成できないので、食べ物から摂取しなければなりません。最近ではDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸を配合したサブリメントやペットフードも売られています。
猫と比較すると、犬の方が老齢になってから脳の疾患が起こりやすいと言われます。
犬は痴呆になると、大きく抑揚のない声で鳴いたりすることがありますが、猫の場合はそういったことはなく、寝てばかりいるので特に問題とされないようです。