●床擦れ(褥瘡・じょくそう)の防止


寝たきりの状態では、姿勢を変えたくても体力的にできません。長い間同じ姿勢で横たわっていると自分の体重で皮膚が圧迫され、赤くはれてただれてきます。これを床擦れ(褥瘡・じょくそう)と呼びます。


中型・大型犬は毎日、少なくとも4~6時間ごとに身体の向きを変えて下さい。

大型犬の場合は、上半身、下半身と分けてゆっくりと体位を変えます。まず、上半身を抱えて仰向けにしてから、下半身を抱えて仰向けにし、次に上半身を抱えて向きを変えさせます。


床擦れのできやすい箇所は、肩や腰、膝やひじの外側など骨が突き出た部分や腰の部分です。身体が痩せて骨ばってくると床擦れができやすくなります。
それらの部分にタオルやクッションを敷くか、人間用の床擦れ防止用のドーナツ状のスポンジなども役に立ちます。

床擦れは一度できると治りにくく、介護の負担が増し、犬にとっても苦痛や体力の消耗を招きます。予防のために、次のようなケアをします。

 *体位を2~3時間ごとに変える
 *良質なタンパク質を与えるなど、栄養状態を改善する
 *常に身体を清潔に保つ
 *失禁して濡れたら、すぐに身体を拭き、皮膚のムレを防ぐ