●排便・排尿を手伝う


1. できるだけ早い段階で、室内の専用トイレで排泄させるようにしましょう。

犬はオオカミの時代から、巣穴を清潔に保ち、排尿や排便は別の場所でするという習性を持っています。ですから、外で排泄することに慣れていた犬は、外に出してもらうまで我慢してしまいます。それに合わせて何度も外に連れ出していると飼い主は疲れきってしまいます。


2. 寝たきり状態ではなく、介助すれば立ち上がれる高齢犬で、小型・中型犬は、腰を支えてあげることで歩きやすくなります。

大型犬の場合にはビーチタオルなどをおなかの下にまわして腰を支え、吊りバンドとして使用します。下半身が安定するので、犬は室内のいつものトイレの場所まで歩いていけます。

一日に何度もトイレに付き添うのは大変ですが、だんだん排泄のタイミングや時間がわかるようになります。


3. 自力で排尿ができなくなっている場合は、起床後や食後、水を飲んだ後におなかを手のひらで押したり、さすったりして排尿を促します。

排便は、一日一回、先端にベビーオイルを塗った棒状の体温計を肛門に3センチほど差込み、周囲を刺激して便意を催させます。


4. 全身が衰弱し、寝たきりで失禁をする状態になった時は紙おむつをあてます。

紙おむつをすれば、排泄の介助の負担を減らすことができますが、紙おむつをすれば済むと安易に考えないで下さい。

紙おむつをさせたことで排泄などの介助が必要なくなると、どうしても寝かせたままにしがちです。その結果、話しかけなどの刺激を与える機会が少なくなり、表情が乏しくなって痴呆の症状が出るなど、老化を進めてしまうことにもなります。

排泄後はなるべく早くおむつを取り替え、汚れた皮膚や毛をウェットティッシュや蒸しタオルできれいにふき、乾燥させます。

5. 紙おむつを使用するのは、


「長時間、留守にするとき」、「仕事で手が離せないとき」、「排泄のコントロールがほとんどできなくなり、頻繁に漏らしてしまうとき」です。


室内でおもらしをしてしまった場合、まず徹底的に水拭きをします。これを確実に実行しておかないとその後で消臭の効果が出ません。丹念に水拭きした後で、乾いた布で水分をできるだけ拭き取ります。それから、薄めたクレゾール石鹸液か家庭用の消臭材をスプレーします。植物性ペタイン化合物を主剤にしたものに効果があります。