●入浴剤


入浴剤の基本的な効果には、身体を温め、痛みを和らげる温浴効果と、汚れを落とす、皮膚を清浄にする清浄効果があります。


無機塩類(無機質ミネラル)入浴剤


硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウムなどを主成分とするもので、粉末、顆粒の形状のものが多い。


塩類が皮膚の表面の蛋白質と結合して膜を形成し、この膜が身体の熱の放散を防ぐために、入浴後の保温効果が高く、湯冷めしにくい。


硫酸ナトリウム成分は、皮下組織の賦活作用、修復作用があり、アセモ、ヒビ、アカギレなどの予防に効果がある。


炭酸水素ナトリウム成分は、皮膚の脂肪や汗腺にある脂汚れを乳化することで、洗浄効果がある。


炭酸ガス系入浴剤


炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとコハク酸、フマル酸、リンゴ酸を組み合わせたもので、形状は、錠剤型。


湯に溶けた炭酸ガスが、皮膚吸収されて、皮膚の中に入り、直接、血管の筋肉に働きかけて、血管を拡げる。血管が拡がると末梢血管の抵抗が弱まるので血圧が下がり、血流量が増える。その結果、全身の新陳代謝が促進されるので、疲れや痛みが回復する効果がある。


体内に吸収された炭酸ガスは、肺から呼吸によって体外へ出されるので、身体の中に蓄積することはない。


薬用植物系


センキュウ、トウキ、ボウフウ、チンピ、カミツレ、ハッカ葉などの生薬が配合されている。生薬をそのまま刻んだもの、生薬のエキスを取り出して他の成分と組み合せたものなど、いろいろある。


生薬に含まれている化学成分の働きと、香りによるリラックス効果がある。血行を促進し、湯冷めしにくいといった効果が認められている。人間の場合には、香りによるリラックス効果がある。


他に、ウイキョウ、オウゴン、オウバク、コウボク、米酵エキス、ジュウヤク、ショウブ、トウキ、トウヒ、ニンジン、ユズ、ヨモギ、アロエ、モモ葉、ショウキョウ、甘草、ケイヒなどがある。


酵素系


蛋白質分解酵素、パパイン、パンクレアチンなどの酵素を配合したもので、無機塩類と組み合わせて使うことが多い。


酵素は、医薬品の消化剤や洗浄剤としてよく利用されている。微生物や動植物の体内で作られ、タンパク質、脂肪、澱粉などを分解して消化や洗浄を助ける効果をもっています。


入浴剤に配合された酵素には、皮膚に無理な刺激を与えずに清浄にし、他の成分と一緒に入浴効果を高めることにあります。


皮膚の溝や毛穴には、外界の汚れや古くなった角質などが絡まって、落ちにくい汚れとなっていることがある。酵素は、このような汚れに特異的に作用して、汚れを小さくしたり、別の形に変えたりして洗い流しやすくする。


清涼系


メントール、炭酸水素ナトリウム、硫酸アルミニウムカリウムなどを配合したもので、液体、粉末、顆粒などの形状がある。


夏の入浴を快適にするタイプで、メントールでひんやり感を与えるものや、炭酸水素ナトリウム、硫酸アルミニウムカリウムによって、入浴後のサッパリ感を与えるものがある。


スキンケア系


セラミド、コレステリルエステル、米胚芽油、エステル油、スクワラン、ホホバ油、ミネラルオイル、米発酵エキスなどの保湿成分を配合したもの。液体が多い。


入浴により皮膚が膨潤することで、保湿成分が皮膚の表面に吸着するだけではなく、角質層の内部にまで浸透していく。角質層の水分が失われて、皮膚が乾燥するのを防ぐ。


その他の保湿成分


液状ラノリン、グリセリン、カゼイン、ステアリルアルコール、オリーブ油、大豆油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、脱脂粉乳、海藻エキス、ハチミツ、ポリエチレングリコール