●トリートメント剤
ブラッシングやシャンプーで傷んだ被毛は、タンパク質が溶け出してしまっているか、溶け出しやすい状態になっています。失われたタンパク質を類似したもので補い、被毛が傷むのを防いだり、傷ついたところを回復するのが、トリートメント剤です。
カチオン界面活性剤に加えて、タンパク質加水分解物、油脂類、保湿剤、各種ポリマーが配合されています。
タンパク質加水分解物には、コラーゲン、ケラチン、卵白、シルクなどがあります。
ポリペプチドは、コラーゲンを水に溶かしたり、コラーゲンを分解したりして作ったもので、PPT、活性タンパクなども含まれます。傷んだ被毛に吸着して、損傷したところを補強します。
被毛への吸着性を高めるために、ラノリン、シリコンなどのカチオン化物が使われています。
軟らかい被毛の毛吹きを良く見せるスタイリング効果を狙って、表面に高分子皮膜を作るアクリル系樹脂や高粘度油分(ポリアルキレングリコール誘導体)が含まれているものもあります。
カチオン性樹脂(カチオン化セルロース)は、スタイリング効果、コンディショニング効果(被毛をしっとりと落ち着かせる)、保護効果を併せ持っているので、よく使われます。
また、傷んだ被毛はパサつきやすいため、保湿剤としてグリセリン、ソルビット、ピロリドンカルボン酸塩やオリーブ油などの油分が使われます。