リンス&トリートメント
シャンプーの後に、被毛をケアするために使われるのが、トリートメント剤です。
使用後に洗い流すものをインバス・トリートメント、洗い流さないものをアウトバス・トリートメントといいます。
インバス・トリートメントは、「リンス剤」と「トリートメント剤」に分けられます。
●リンス剤
リンスの効果は、被毛が重くなく、サラサラとした感触になり、しかもしっとりとした外観とボリュームを出すことです。
1)被毛をなめらかにして、櫛やブラシの通りを良くすることで、毛切れやもつれを防ぐ
2)被毛を柔らかくし、しっとりさせる
3)静電気を防止し、まとまりを良くする
4)被毛の表面を保護する
リンスの主原料は、界面活性剤で、それに油性物質や保湿剤などのコンディショニング剤と呼ばれるものが配合されています。リンスに含まれる界面活性剤が与える皮膚へのダメージは、シャンプー剤よりも大きいという指摘があります。
リンスの場合には、親水基の部分がプラスイオンになる「カチオン性界面活性剤」が使われます。被毛は、水に濡れるとマイナスに帯電するので、カチオン性界面活性剤のプラスの部分が被毛の表面に付着し、それと一緒にコンディショニング剤もくっついて、薄い膜のように被毛の表面を覆うのです。
リンスする時には、リンスを適量を手にとって、被毛全体につけるようにします。被毛を持ち上げるようにして、毛先まで浸透させます。すすぐ時は、ぬめり感がとれる程度が目安です。
カチオン性界面活性剤
リンスに使われるカチオン性界面活性剤の代表的なものは、塩化アルキルトリメチルアンモニウムで、アルキル基がC16~22のものが主流です。
毛髪のケラチンタンパク質によく吸着して、髪を柔らかく、しなやかにする作用があります。モノアルキル型は、使用感がふくよかで、仕上がりは自然で滑らかな風合い、ジアルキル型は、使用感にふくよかさはありませんが、被毛をしっとりと落ち着かせる仕上がりになります。
油分
シャンプー後の被毛に脂肪分を補給をすることと、コンディショニングを目的としています。
油性物質には、高級アルコール、高級脂肪酸エステル、炭化水素、ラノリンなどの動植物油が使われます。シリコン油やその誘導体は、被毛をさらっと自然に仕上げる効果があります。
リンスの構成成分
・界面活性剤
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム
・油分
セタノール、セトステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、ミリスチン酸イロプロビル、オリーブ油、流動パラフィン、スクワラン、シリコン油
・増粘剤
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ビロロキシエチルセルロース
・保湿剤
プロピレングリコール、エタノール、ポチエチレングリコール
・乳化剤
ポリオキシエチレンステアリルエーテル、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン
・金属封鎖剤
EDTA、クエン酸
・防腐剤
パラオキシン安息香酸エステル
・その他
色素、香料