●非イオン系(ノニオン)界面活性剤


①酸やアルカリの影響を受けにくい。


②イオン性の界面活性剤より硬水に強く、その影響を受けにくい。


③アニオン界面活性剤より低濃度で洗浄力が高く、特に皮脂汚れのような落ちにくい油性の汚れをよく落とす力がある。


④酵素にやさしい。


洗浄力は弱いのですが、水に溶けたとき、イオン化しない親水基を持っている界面活性剤で、他の全ての界面活性剤と併用できます。使いやすい性質をもっているため、近年、泡の安定性を維持する目的などで非イオン系界面活性剤の使用量が増えています。


非イオン系界面活性剤はその構造により、エステル型、エーテル型及び混合型に分類されます。


エステル型


グリセリン、ソルビトール、ショ糖などの多価アルコールと脂肪酸がエステル結合した構造を持っている。非イオン系界面活性剤の中ではもっとも古い歴史を持つ。


ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルは食品添加物として認可されており、食品の乳化剤や化粧品分野で広く利用されている。洗浄剤として利用されることはほとんどない。


エーテル型


ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)高級アルコールやアルキルフェノールなど水酸基をもつ原料に、主として酸化エチレン(エチレンオキシド)を加えて作られる。非イオン系界面活性剤の代表的なもの。


イオン性ではないのでカルシウムイオンやマグネシウムイオンがあっても影響を受けない。少量で洗浄効果があるが、タンパク質と結合するとタンパク変性作用が強く、被毛や皮膚に残留しやすい。


その他の非イオン系界面活性剤


親油基と親水基がアミド結合で結合した脂肪酸アルカノールアミドは、安定な泡を作るので、洗剤などの泡安定剤として使用されている。


また、糖類(ブドウ糖等)を原料とするアルキルポリグルコシドは、皮膚刺激性が弱く、洗浄力や起泡力に優れた界面活性剤として、近年、台所用洗剤やシャンプーに多く使われるようになってきています。