●合成界面活性剤の基礎知識
合成界面活性剤は、石鹸(脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム)以外の界面活性剤です。
石鹸と同じように牛脂、やし油、パーム核油を原料として使っていても、洗浄成分の表示が「ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン」とか「ヤシ油脂肪酸イソチオネート」などとなっていれば、その洗剤は合成界面活性剤を使っているものです。
*石油、油脂などが原料もの : 硫酸系、脂肪酸系、高級アルコール系
*さとうきび、ビートなどの天然原料: アミノ酸系、ペタイン系 (=天然系)
界面活性剤そのものは中性で、シャンプー剤が弱酸性になるのは、添加剤の働きです。添加剤として、「再汚染防止剤」、「酵素」、「香料」などが配合されています。また、洗浄力を強める「洗浄助剤」(ビルダー)のアルカリ剤、金属イオン封鎖剤が含まれています。
●陰イオン(アニオン)性界面活性剤
かつては、高級アルコール硫酸エステル塩(AS)や直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)が使われていましたが、皮膚への刺激性が高いことから、あまり使われなくなっています。それらに代わって登場したのが、次のような陰イオン界面活性剤です。
高級アルコール系(ラウレス系)
ラウレス硫酸塩 (ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩)
ラウリル硫酸塩 (ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン)
原料には、油脂の脂肪酸の場合と、石油からの場合があり、シャンプーに使われるのは油脂を原料とするものが多い。洗浄力が強く、皮膚への刺激性は高い。
α-オレフィン系(アルファオレフィン系)
α-オレフィンスルホン酸塩(AOS)
原料は石油。洗浄力が高く、微生物による分解性も良い。
α-スルホ酸系
α-スルホ脂肪酸メチルエステル塩(α-SF)
石鹸と同じ脂肪酸系。低濃度で優れた洗浄力があり、微生物による分解性も良い。
アミノ酸系
ココイルグルタミン酸TEAは、ほとんどのアミノ酸系シャンプーの主剤になっている。
アルカリ性でなくても洗浄力があるために、皮膚への刺激を抑えた弱酸性の洗浄剤を作ることが
できる。アミノ酸からできた弱酸性の洗浄剤は、角質細胞を膨潤させずに洗うことができる。
高濃度での配合により、かゆみを感じる人が出たが、両性界面活性剤を配合することで解決された。人間用では、「ミノン」シャンプーが有名。
さらに、刺激の少ないのがラウロイルメチルアラニンNa。価格が高く、主原料として使っている製品は多くない。