●真皮


皮膚の土台になっているのが「真皮」です。


真皮は、繊維とその間を埋める基質と呼ばれる成分からできています。真皮繊維の90%以上は、コラーゲン(膠原繊維・こうげんせんい)で、残りの10%がエラスチン(弾性繊維)です。


これらの繊維は、真皮の中を網の目のように走り、皮膚のハリや弾力を生み出しています。


人間の場合には、紫外線を浴びるとコラーゲンは小さく切断され、エラスチンは変形します。すると皮膚のハリや弾力がなくなり、シワになります。


若ければ次々に新しい繊維が作られるので、目立つシワにはなりませんが、歳をとると再生力が下がるので深ジワになってしまいます。


繊維の間を埋めているのが、ムコ多糖類の基質(プロテオグリカン、グリコサミノグリカン)です。基質は、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸と呼ばれる親水成分です。


タンパク質に結合せずに存在しているムコ多糖類のヒアルロン酸は、水分を保持する能力(保水力)がとても高い成分です。ヒアルロン酸1gで、水分6,000mlを保持できるといわれます。


コラーゲンやヒアルロン酸を作り出しているのは、真皮にある繊維芽細胞です。繊維芽細胞は、皮膚がダメージを受けると増殖して、傷ついたり欠けたりした組織をコラーゲンで修復します。


女性の場合には、40歳を過ぎた頃から女性ホルモンのエストロゲンの分泌量がだんだん減っていきますが、それにともなってコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の量も減少して、皮膚のたるみやシワの原因になると言われます。


●皮下脂肪(皮下組織)


皮下脂肪は、正式には皮膚ではありませんが、脂肪層が上皮を支えることで身体の外観が保たれるなど、皮膚と密接な関係があることから、皮膚の一部として捉えられています。


脂肪の厚さは、身体の場所によって異なり、例えば、お尻(でん部)では厚くなっています。


脂肪細胞、血管、神経などで構成される網状の組織です。


皮下脂肪は、熱伝導率が低いので、体温の発散を防ぎながら、同時にエネルギーの貯蔵庫の役割も果たしています。 紫外線を受けて、ビタミンDを合成する働きもしています。