犬の換毛期


被毛は、一定の周期で日々抜け変わっています。抜け変わりの周期を毛周期と呼びます。毛周期には犬によって個体差があり、毛の抜ける量も多かったり少なかったりします。


換毛期は、一般的には春と秋に大量に毛が抜ける時期のことです。換毛は、外気温、日照時間、湿度などの変化が自立神経を刺激することで、起きると言われています。


内分泌腺の働きが活発になり、性腺刺激ホルモンなどが分泌されて、毛の新生をさかんにします。外気温が変化して、皮膚の血液循環が良くなることも、影響しています。


室内飼育されている犬の場合には、照明や冷暖房の影響で、換毛期が明らかではなくなっているという指摘があります。


多くの犬種では、横腹~頭部~四肢~胸~背~大腿部の順に、被毛が抜け換わっていきます。


換毛は自然なことですが、抜けた毛が絡まってしまうと、その下の皮膚が蒸れる、汚れがたまるなどで、細菌感染を起こしやすくなります。


尻尾の付け根や内股は、毛が絡み合うことが多いので、しっかりブラッシングすることが大切です。


犬の抜け毛は、毛が生え変わるための生理現象ですから、毛が抜けることは被毛と皮膚の健康のために必要なことです。


しかし、抜けた毛が毛玉になると、トラブルになることがあります。


・毛玉ができると皮膚の代謝や体温調節がうまくできなくなり、皮膚病の原因にも。


・耳や尾の先にできた毛玉で組織が血行不良を起こして、壊死してしまった例も。


・毛玉が多いと熱がこもりやすく、夏場には熱中症になりやすい。