●ノミの生態と犬の被害


人間がノミに刺されると激しいかゆみがおこり、ひどい場合にはアレルギー症状を起こして、水ぶくれのような状態になってしまいます。


ノミに血を吸われる時のかゆみは、犬にとっても不快で、精神的なストレスになるだけではなく、かゆいところをかきむしったためにできた傷に細菌が入って化膿するという二次感染を引き起こしたりします。


ノミが子犬にたくさん寄生すると、貧血を起こすこともあります。


ノミは犬の体の表面で、1日20~50個の卵を産みながら、最長120日以上も生きます。ノミは、気温が13℃以上であれば生息できます。暖房のきいた室内では、ノミは繁殖と寄生を繰り返すので、冬でもノミ対策は必要です。


ノミが5匹いたら、そのまわりにはノミの卵、幼虫、サナギが95匹もいると言われ、それらが成ノミになって、さらに寄生と繁殖を繰り返します。


サナダ虫は小腸に寄生する50cm以上の大きさにもなる寄生虫ですが、繁殖のための中間宿主になるのがノミです。


サナダ虫の卵を食べたノミを、犬が自分の体や被毛をなめた時に飲み込んでしまって、感染するのです。小腸に寄生し、下痢や嘔吐の原因になります。


糞便や肛門の周辺に、瓜の実に似た片節が付着していたら、サナダ虫が寄生している証拠です。


ノミアレルギー性皮膚炎

ノミが犬の血を吸った時に、ノミの唾液中に含まれる物質が犬の体内に入り込みます。


ノミの吸血が繰り返されると、犬の体内でこの物質に対してのアレルギー反応がおこり、激しいかゆみや湿しん、脱毛などの症状を起こすアレルギー性皮膚炎になります。


アトピー性皮膚炎の犬がノミに刺されると、症状が悪化してしまうことがあります。