●Q熱(コクシエラ症)
Q熱は、1935年にオーストラリアの屠畜場の従業員の間で流行した原因不明の病気で、Q熱とは「原因不明の熱」という意味です。
その原因はリケッチアの仲間による感染であることが判明しましたが、現在では世界中で発症例の報告があり、Q熱リケッチアに感染した動物の糞尿や乳汁などにより環境が汚染され、汚染された環境から出る粉塵などを吸引したヒトに感染が起こります。
Q熱は動物からヒトへの感染はみられますが、ヒトからヒトへの感染はありません。
Q熱リケッチアを保菌している動物はたくさんいますが、ネコからヒトへの感染例が多いとされます。
ネコの出産や流産などの際にその分泌物を介してヒトに感染すると考えられています。妊娠している動物の胎盤や羊水に病原体が多く含まれているからです。
Q熱には急性と慢性の二つのタイプがあります。
急性のQ熱は感染した後、2~3週間の潜伏期を経て、発熱、頭痛、筋肉痛、全身の倦怠感、呼吸器の異常などのインフルエンザに似た症状が出ます。中には、肺炎や肝炎の症状が強く前面に出ることもあります。
慢性感染では心内膜症、肝炎などを起こします。
予防策としては、ペットに触れた後はちゃんと手を洗う、過度のスキンシップはしない、ペットの住まいの清潔・衛生に気配りするなどです。