●社会的なメリットのために


狂犬病を含む感染症の予防のためのワクチン接種は、我が家の犬を病気から守るということだけではなく、近隣の住民や動物に病気が蔓延することを防ぐという目的もあります。


地域の集団免疫が70%を超えれば感染症の拡大を阻止できると言われていますから、予防接種を受けさせることは、地域社会の構成員としての飼い主の務めとも言えます。


発情しているメス犬は、2キロ四方の去勢していないオス犬に影響を与えるそうです。発情したメスが発するニオイを嗅いで、オス犬は大騒ぎします。


それがオス犬の飼い主にとって、とても困った状況を引き起こしているとしたら、メス犬の飼い主は、知らずに他の人に迷惑を及ぼしていることになります。


避妊手術をすれば、そのようなことはなくなりますから、感染症予防と同様に、社会的なメリットになります。


去勢したオス犬の場合、「外でのマーキングが減る」、「ムダ吠えやケンカが少なくなる」ので、地域社会での飼い主としてのマナー向上につながるという意見もあります。


感染症の予防ワクチンの接種ほどの効果はなくても、避妊・去勢手術には社会的なメリットがあると言われる由縁です。