●犬のアレルギーとアレルギー性皮膚炎


アレルギーは、ウィルスなどの病原体や有害物質から体を守る働きである免疫が、体内に入っても無害なものに対してまで過剰に反応して、さまざまな症状を引き起こすものです。


人間が悩まされる花粉症もアレルギーの一種で、普通は少しぐらい体内に入ってきても無害なはずのスギ花粉などに対して、体内の免疫が過剰に反応して、目のかゆみや涙、くしゃみ、鼻水などの症状を引き起こします。


アレルギーを引き起こす原因物質を、「アレルゲン」と呼びます。


花粉、ホコリ、ダニ、菌類、食べ物などがアレルゲンになります。どのアレルゲンに対して、免疫が過剰に反応してしまうかは個体それぞれで異なっていますが、複数のアレルゲンに反応している場合も多いのです。


犬が最もかかりやすい病気が皮膚病ですが、中でもアレルギー性皮膚炎が増えていると指摘されています。

アレルギーの原因物質としてはハウスダストマイトと呼ばれるホコリの中のダニがトップで陽性率50%、次いで植物が40%、ストレージマイト(貯蔵フードに発生しやすいダニ)20%、ノミ14%となっています。


飼い主がいちばん気にする食物アレルギーは13%程度で原因としては高いものではありません。ただし、アレルギーを発症するのはそれらの原因が組み合わさっている場合も多いのです。


室内で飼われている犬が多くなっているので、人と同様にハウスダストと呼ばれる室内のホコリに含まれるダニやその死骸、フン、植物の花粉、カビなどのアレルゲンを吸い込んでしまい、アレルギー性皮膚炎になると考えられます。


ホコリは床から30センチぐらいにところに浮遊しやすいので、犬や猫はそれを吸い込みやすいからだという説もあります。