●「ちょっとだけ」が肥満の原因


中毒症状を起こすネギ類、生卵の白身、チョコレート、カフェインなどを犬に与えないことは守れても、食卓から食べ物をあげてはいけないということを守れない人は、多いようです。


愛犬のかわいいおねだりのまなざしに負けて、「ちょっとだけ」あげてしまうのです。


でも、この「ちょっとだけ」がくせものです。


人間には、自分に都合よく解釈しようとする心理が働くので、「ちょっとだけなら」と一度与えてしまうと、その後は、心理的な抵抗を感じることもなく、与え続けてしまいます。


許される「ちょっと」は、その犬が1日に必要としているエネルギーの10%以内です。


それ以上の食べものを与え続けると、犬は「肥満」になります。その結果、背骨や関節を痛めたり、歯がなくたったりすれば、飼い主にとってもペットにとってもつらいことです。


この「ちょっとだけ」という感覚には個人差があって、少しと思っていても、あの「かわいいおねだりのまなざし」に攻撃されると、つい多くあげてしまうという飼い主がほとんどです。


犬は食べる量ではなく、口に入る回数で満足度も高くなるようなので、ほんの少し、小指の先くらいの大きさのものを何回かに分けてあげるようにします。


「かわいがる」ことは、「甘やかして、その結果、健康をそこねる」ことではありません。「正しく管理して、健康を維持してあげる」ことです。