犬の肥満


●犬の肥満は飼い主の責任


自分の子どもが減量しなければならない状態になった時に、その親は「本当にこの子は食いしん坊だからね。」と、肥満になったのはその子自身のせいだと言いたいようないいわけをすることがあります。


確かに肥満になる子たちは「食べることが大好き」で、「大食い」と「早食い」の両方の要素をもっていることが多いようです。


でも、子どもは親に管理されている立場で、自分で食欲をコントロールするような強い意志はまだ培われていません。つまり、子どもが肥満になるのは、親の責任ということになるのです。


人間の子どもに肥満が増加しているのと同様に、犬の肥満もよく話題になります


犬の肥満は、代謝疾患などがない限り、飼い主の責任です。


犬の食餌管理はむずかしいものではありません。毎日決まった時間に、同じものを、一定量与えれば良いのです。それを守れない飼い主の間違った思い込みや甘やかしが問題なのです。


犬の食欲は旺盛で、食べものをあげれば喜んで食べてくれます。いくらでも食べたがるようすに妥協して、「あと一口だけ」と与えてしまいます。


犬がおやつを欲しがっているのではなく、犬が喜ぶのを見たくて、飼い主がついあげてしまっているというのが本当です。でも、犬の食生活をルーズにすることは、無意識のうちに犬を苦しめる結果へと導くことになるのです。


食べ過ぎれば肥満になります。体が太っても心臓や肺、肝臓、腎臓などの臓器は大きくなりませんから、余計に働かなければならなくなり、糖尿病や循環器系統の異常が発生しやすくなります。また、身体が重くなれば、足腰に負担がかかり、関節炎などにもかかりやすくなります。


呼吸器系では、太った体に酸素をたくさん送り込まなければならなくなるので気管に無理がかかって、気管虚脱症という病気になりやすいのです。


つまり、食べ物の与え過ぎで肥満にすることは、犬の寿命を縮めることになるのです。


子犬の時から太ってしまっている場合には適用できませんが、生後1年の時の体重より15%以上増えていると「肥満」と判定されます。肋骨を触ってみて、その本数がすぐに数えられないようなら、肥満です。


犬の成長期、小型・中型犬では生後5~6ヶ月、大型犬では生後7~8ヶ月の期間に太らせてしまうと、ひとつひとつの脂肪細胞が大きくなってしまって、脂肪を蓄積しやすくなり、太りやすい体質になってしまいます。