●歯磨き


はじめて愛犬の歯磨きをするときには、慎重にやさしくやって、歯磨きがきらいにならないように気をつけましょう。


 子犬の時に、まず、口の周りを触ることに慣れさせます。

グルーミングや遊びの一環として、繰り返し、口の周りを触ります。


そして、ほめたり、ごほうびを与えたりして、飼い主が口の周りを触ると、何かいいことがあると思わせます。


 次のステップでは、口の周りを触りながら唇をめくり、指をそっと口の中に入れて、遊び感覚で歯や歯茎を触りながら、もう一方の手で体をなでたり、ほめてあげます。

 最初からいきなり歯ブラシを使うのではなく、人差し指にガーゼを巻いて、それで犬の前歯をそっとなでてやることから始めます。

ガーゼを水やお湯で濡らしたり、時には好きな肉汁などを付けて、なめさせながら、そっと歯の表面をこすります。


まず、切歯(せっし)部の外側だけを、慣れたら臼歯部をこすります。無理強いは禁物です。短時間、歯にタッチできれば十分と考えて下さい。


唾液が増えますので、唾液を飲み込ませるために、休みながら少しづつやって下さい。


 いよいよ、歯磨きトレーニングのスタートです。

小児用の小さな歯ブラシか、犬専用の歯ブラシに水やお湯、肉汁などを付けて、優しく、手早く、さっと磨いて下さい。

一時に、上下、前歯から奥歯まで全部磨こうとせずに、犬がリラックスして、飼い主と触れ合うことを楽しむ範囲で、少しづつ磨いて下さい。


 一日ごとに、犬歯、脇の歯、奥歯へとだんだん口の中の奥の歯へと進めていきます。

最も歯垢がたまりやすいのが上の奥歯なので、その歯を磨かせるようになることが目標になります。


 歯磨きを喜んでさせるようになったら、歯垢がたまりやすい歯周ポケットにうまく歯ブラシの毛先が入るように、歯の表面に対して45度の角度で軽く円を描くように、歯ブラシを動かすことができれば、完璧です。


 どうしても、歯磨きをさせない犬の場合には、歯磨き効果のあるデンタル用のガムやおもちゃ、歯の健康管理用のためのビタミン剤を与えます。

デンタルガムは、牛皮などの表面に唾液のペーハを歯垢のたまりにくいペーハに変える無害のものが塗ってあります。