●湿度管理
① 湿度40%以下の環境にしない。
犬にとっては乾燥した状態の方が過ごしやすいようですが、湿度が30%以下になると、ウィルスが活発になって、ケンネルコフなどの呼吸器系の病気にかかりやすくなったり、皮膚が乾燥して、皮膚炎を起こしやすくなります。
皮膚が乾燥している状態を「ドライスキン」と呼びますが、皮膚の水分含有量が少なくなった状態で、皮膚のバリア機能が低下して、外部からの刺激物質を通しやすくなります。皮膚の表面からアレルゲン(原因物質)が侵入すると、アトピー性皮膚炎を起こします。
② 湿度60%以上の環境にしない。
1.窓を開けて換気しよう。
機密性の高い現代の住宅では、湿度が高くなるため、カビやダニの温床を生みます。閉め切った部屋では外気よりも湿度が5~20%以上も上がり、ダニも繁殖しやすくなるのです。
外気に含まれるカビの胞子の発生は、7~10ヶ月がピークです。梅雨や秋雨の時期には、換気だけではなく、除湿機を使えば効果的です。
2004年に建築基準法が改正され、それ以降の新築マンションでは、全自動で換気される「24時間換気システム」が採用されるようになっていますが、窓を開けて換気する場合には、10時間以上、何回かに分けておこなうことが効果的です。
雨が降り続いた後、ようやく晴れたからとあわてて窓を開けると外気の湿気を呼び込むことになります。外気の湿度が80%以上もあるような日には、換気は逆効果になります。
花粉症の飼い主さんは、「窓を開けたくない」と考えるかもしれませんが、花粉の飛散量がピークになるのは午後3時から5時の日中で、その時間帯を避けて換気をすれば、室内に花粉が入ってくる率は少なくできます。
吸気レジスターに花粉用のフィルターをつける、あるいは網戸に花粉をキャッチできるスプレーを吹きかけるなどの対処法もあります。
2.湿度を調節する工夫
カーペットはホコリやゴミをためやすいと敬遠されがちですが、逆にホコリが舞い上がるのを防ぎ、湿気も吸収します。フローリングの上に敷くことで、犬の転倒事故の防止にもなります。
室内の湿度を調節する建材があります。
珪藻土は、漆喰壁(しっくいかべ)の一種で、湿度が高いときには湿気を吸い込み、乾燥してくると空気中に水蒸気を放出してくれます。また、脱臭・消臭効果もあります。
無垢の木材も調湿効果がありますが、臭いが残りやすいのが難点です。
カーテンなどの布ものは、湿気と臭いを溜めやすいので、日頃のお手入れが必要です。また、消臭効果のある素材を使っているものを選ぶようにして下さい。