●穀物


大麦


穀類の中では、マグネシウム量が少なく、繊維が多め。




ごはんは、犬にとってほぼ100%消化吸収率できる。脂肪の少ない良質なエネルギー源で、穀類の中でも、マグネシウム量が少なく、使いやすい。


米の栄養素は胚芽と米粒の外側に集中しているので、白米よりも玄米や胚芽米のほうが、栄養価が高いが、白米よりも消化しにくい。玄米を食べさせていると体臭が少ないといわれる。


オートミール(ロールドオート)


えん麦(オーツ麦、カラス麦)を精白して砕いたもの。たんぱく質、鉄分、カルシウム、ビタミンB1、B12、E、食物繊維などを多く含むが、マグネシウムも多く含む。摂りすぎると、ガス、鼓腸、腹痛の原因になることがある。


ライ麦(粉)


食物繊維が豊富でカリウムも多く含まれる。鉄・リンなどのミネラルや必須アミノ酸の含有量も高い。歯のエナメル質と丈夫な爪に必要なフッ素も含んでいる。マグネシウムは少なめ。


大豆


理想的なアミノ酸バランスをもっている。タンパク質の含有量も豊か。そのままでは消化しにくく、すりつぶすか、納豆として与える。大豆タンパク質は犬の腎臓機能を高めるといわれる。


豆腐


大豆をすりつぶしたものを加熱してできた豆乳に、塩化マグネシウムを主成分とするにがり(凝固剤)を入れてかためたもの。大豆の栄養素を受け継いでいるが、大豆より消化しやすく、タンパク質、脂肪の消化吸収率は約95%と高い。


良質なタンパク質には必須アミノ酸がバランス良く含まれており、その他にカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛なども豊富。ビタミンB群も多い。


木綿豆腐は、絹ごし豆腐に比べるとカルシウムは3倍、タンパク質もやや多く含む。


絹ごし豆腐は、カリウム、ビタミンB1を多く含む。


おから


豆腐を作るときに出る絞りかす。食物繊維が豊富なだけではなく、タンパク質やカルシウムもたくさん含まれている。


納豆


大豆は、理想的なアミノ酸バランスを持っているが、そのままでは消化が悪い。大豆を蒸し煮して、納豆菌で発酵させて作られる納豆は、大豆のタンパク質が酵素分解されて、アミノ酸になっているので、消化吸収しやすくなっている。


プロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)、アミラーゼ(糖質分解酵素)、リパーゼ(脂質分解酵素)、セルラーゼ(食物繊維分解酵素)が、他の食材の消化を助ける。納豆菌は、乳酸菌より強く、長く腸内の腐敗菌を押さえ込むことができるので、ビフィズス菌などの善玉菌も増やすなど、優れた整腸効果がある。便秘、下痢を治し、大腸ガンの予防効果もある。


納豆のネバネバ成分のムチンは、タンパク質の活用を促進するとともに、胃の粘膜、胃壁を保護する。酵素のナットウキナーゼには、抗がん効果がある。


ビタミンKが多く含まれている。納豆菌は、腸内でビタミンKを合成する働きもある。


ごま


ごまの50%以上は脂質が占め、オレイン酸やリノール酸を多く含む。抗酸化物質のゴマリグナンが含まれている。


ゴマリグナンには、セサミン、セサモリン、セサミノール、セサモリノールといった種類があり、セサミンには発ガン抑制効果がある。


抗酸化物質を含むため、ごま油は酸化しにくい。


ごまは、硬い繊維の殻で守られているので、粒のままでは消化できないので、食べさせる直前にすりつぶして、すりごまとして食べさせる。